表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/319

第二十八話 最悪の再会

上島の頭を蹴ると、すぐに飛び起きたのだった。


「おい、いつまで寝てるつもりだ」

「おぉ、仁か……この女すげーおとなしくてさ〜。

 お前もどうだ?夏美の代わりにさ〜」

「その女はどこにいるんだ?」

「あれ?さっきまでいたのに………逃げやがった

 か?」

「これはなんだと思う?」


ベッドに落ちているカードを見て、ハッとなる。


「やっちまった……」

「いい加減にしろ。目立ってどうするんだ」

「そうだったな。でもよ〜、この街では女騎士が

 一番強いんだろ?俺たちがモノにしたら、俺た

 ちに逆らう奴は、いなくなるだろ?」

「そんな簡単じゃないだろ?まぁいい。さっさと

 出かける準備をしろ」

「へいへーい。仁はどっかで女ナンパして来たの

 か?」

「お前と一緒にするなっ……チッ。夏美があんな

 事にならなきゃ……まぁいい。行くぞ」


そう言うと、さっき言った冒険者ギルドへと向か

った。


受付嬢が消えたと、中では捜索が行われていた。

時間にしっかりしている子だったせいか、事件に

巻き込まれた可能性があると、慌ただしかった。


「受付いいか?」

「はーい、えーっと、どんなご依頼ですか?」

「朝、ここにいた女に言ったんだが聞いてない

 か?」

「それが……ちょっと。もう一度聞いてもいい

 ですか?」

「あぁ、ここ最強のパーティーに俺たちを入れ

 て欲しい」


長野が言うと、丁度そこに他の冒険者が入って

きた。


「おいおい、それはエリーゼ様と組みたいって 

 事か?無理だぜ〜あんちゃん、あのパーティ

 ーに入れる奴はなかなかいねーぜ?」

「なぜだ?」

「それは……ほら、来たぞ。まぁ、なんだ……

 エリーゼ様に釣り合う人はいねーって事だ!」


厳つい男達でさえも、一目置くほどの女騎士と

言うわけらしい。


「お、噂をすれば、エリーゼ様だぜ」


みんなの視線が注がれる中、堂々と歩く姿は城

の騎士達とは全く違って見えた。


すぐさま、女騎士の前に上島が向かうと、前を

遮ったのだった。


「何か私に用でもあるのか?」

「あんたが最強の女騎士、エリーゼさんかい?」


少し眉を顰めると、凛とした声が響く。


「そうだが、会うのは初めてだともうが?」

「噂を聞いてここまで来ました。俺は上島竜。

 異世界からきたチートな男だぜ!」

「悪い、こいつはいつも調子に乗るんだ。俺は

 長野仁。よかったら少し話をさせて貰えない

 か?」


長野が上島を押し除けて、口を開いた。


「どうして……」

「ん?そっちの子は……銀髪美人じゃん。本物

 は可愛いじゃんか!」


上島の声に、カナデの前にナルサスが立ち塞が

ったのだった。


「お、顔だけの色男か…そんな男より俺たちの

 が役に立つと思うぜ?」

「そんな男だと?主人を汚い目で見るのはやめ

 てもらおうかっ!」


喧嘩越しになるナルサスを止めたのはエリーゼ

だった。


「カナデが怖がる…ナルサスも落ち着きなさい…

 話をしたいと言ったな?だが、あいにく私達は

 あまり時間がない。3日後ここで待っていてく

 れれば、話だけなら応じよう」


エリーゼが言うと、すぐに討伐部位を置いて出て

行ってしまったのだった。


色男の後ろに隠されるように庇われた銀髪の少女

は長野達を見て、驚いていた。

それが何を意味するのか、彼らはまだ知らなかっ

た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ