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第八話 ダンジョンボス

ダンジョンボスは雄叫びと共に、勢いよく走って

来た。


周りに付いた松明のおかげで視界は良好だった。


四本足のせいかスピードが早い。


「おい、どうすんだよっ!」


焦る上島に、長野が支持を飛ばす。


「ギリギリで横に避けろ!江口は筋力6倍で避け

 ながら攻撃して横から殴れるか?」

「やってみるっ」


一気に距離を詰めるボスに二人が避けると、僅か

にそっちへと起動が逸れる。

逆側に避けた江口はそのまま、攻撃モーションへ

と入る。


そして、思いっきり腹に一撃叩き込んだ。


ドンッと鈍い音がして、大勢が崩れる。


「行くぞっ!」

「おう!」


炎を顔の顔面にぶつける。

その間に上島が体重の一番かかっている後ろ足を

狙う。


江口は畳み掛けるように腹に何度も攻撃を叩き込

んだ。


よろめくとそのまま倒れるかと思いきや堪えると、

ギィッと江口の方を振り返った。


「手を休めるなっ!」


長野の声に上田がありったけの魔法を叩き込む。

魔力が尽きると思うほど水を薄く、そして鋭くす

る。


長野の狙いは視界だった。


いくら魔物でも視界を奪われれば戦えない。

あとは鼻を塞げれば匂いでどこにいるのかさえもわ

からないだろう。


上島の攻撃がやっと、足を一本削ぎ落とした。


ズシーンと大きな巨体が転がると、また顔面を炎で

焼きにかかる。


そしてさっきレベルが上がった時に覚えた魔法、


『ファイアーウォール!』


炎で出来た壁を作り出したのだった。


ミノタウロスは元は牛の魔物だ。

炎には弱いのだろう。

焼かれる事に慣れていないのかのたうち回っている。


そこにウォーターカッター、水の刃で切り刻む。


一回でダメなら何度でも。


炎に囲まれたボスに攻撃出来るのは遠距離攻撃を

持った二人だけだった。


もう、江口の出番はない。

最後の咆哮を上げると崩れる落ちていった。

肉の焼ける匂いが充満すると、なんともいえない気

持ちになった。


「焼き肉が食べたくなるよな〜」

「やっぱり魔物って食べれないよな?」

「でも、牛だろ?これ…」

「……」


食料も尽きかけているせいか、肉の焼ける匂いはお腹

を余計に減らさせた。


ボスの焼けた後に、いきなり奥の部屋がいきなり開い

た。


さっきまで消えたドアも復活している。


「これで前にも後ろにも行けるわけだが……まずは

 それを開けて帰るか……」


長野がいうと、そこには金色に輝く宝箱があった。

さっきまではなかったところを見ると、ボスを倒し

た報酬なのだろう。

江口が一番に駆け寄っていく。


「お!宝箱じゃん?」

「俺が開ける!洋介は活躍してねーだろ?」

「おい、待てって。先に俺が殴って大勢を崩したお

 かげだろうが!」

「とどめは俺だろ?」


二人が言い合っている中、スタスタと長野が宝箱を

開けた。


光が眩しくあたりを照らすと、やっと治った。

その後には、大きな箱の中には3つのアイテムが入っ

ていた。


一個は指輪だった。


「なんだよこれ、ん?アイテムボックスを一個増や

 す?」

「おっ、一番少ない洋介にはお似合いだな?」

「おぉ、ありがてーじゃん」


もう一個は黒い刃をした剣だった。


「なになに?魔剣……なんでも切り裂く漆黒の刃。

 使えば使うほど闇に飲まれるだろう…?なんか

 やばくね?これ…」

「いいじゃないか……俺が貰おうか…」


そう言って長野が手にした。


そして最後の一個は赤い宝石だった。


「ルビー?赤い石で星の雫のカケラ……!?」


説明文を読み終わると、本当に星の雫が存在する

のだと知った。

しかしカケラとはどういう事だろう。


星の雫とはそもそもなんなのか?

それすら知らなかったのだった。


帰還石を地面に叩きつけると、いきなり光が刺し

て、最初に出発した入り口へと戻って来たのだっ

た。





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