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第四十六話 旅立ちの時

この領地に来て…この世界に来てから五年が経っ

た。

ラナも成長しケイヒードと変わらないくらい身長

も伸びていた。


ナルサスも剣に磨きがかかり、今ではエリーゼさ

んからも一本取る事ができるようになった。


未だにラナはエリーゼさんが苦手なようだ。


神崎はと言うと、全く身長も伸びず、見た目も変

わらなかった。


「うぅ……もう五年だよ?五年も経てば普通は成

 長するよねーーー!」

「奏はいつまでもそのまま可愛くていいと思うけ

 ど」

「よくない!俺だって男なんだ、もっと男らしく

 なって。筋肉だってムキムキに……」


そっとナルサスの腕が回されると心臓が高鳴る。


「俺が護るから…」

「………///////」


二人だけの時間はいつも甘い。

そしてそんな時は必ずと言っていいほど邪魔が入

る。


「おーい、腹減ったんだが………イチャつくのは

 後でもいいか?」

「ケイヒード、貴方と言う人は……」

「あははっ。そうだね。ご飯にしようか」


ナルサスから離れるとキッチンへと向かう。

大食いのケイヒードとラナに食べさせる食事だけ

でも結構大変だった。

成長したせいでラナの食欲は昔より増していた。


「あの犬どもの食事など、適当に草でも食べさせ

 ればいいのに…」


相変わらずナルサスは二人には厳しい。


「大丈夫だよ、俺が好きでやってるんだし。それ

 に………ナルサスが美味しそうに食べてくれる

 のが嬉しいから……」


照れ隠しのように早口で言うと、テキパキと作り

始める。

そんな神崎をいつもナルサスは見護るように見て

いる。


作り終わると、次々に皿に盛っていく。

すると、ナルサスが盛ったものから並べていって

くれた。


「ありがと」

「いいえ、奏の側にずっといるのは俺ですから」


恥ずかしげもなくそんなセリフを言ってくると

額にちゅっとキスを落とす。


最近は寝る前にも前髪の上にキスをされる。


事あるごとにボディタッチが増えてきた気がす

る。

別に嫌ではないけど……少し戸惑っていた。


テーブルを囲み、4人が向かい合う。

手を合わせると、食事を開始した。


「いただきます」

『いただきます』


神崎が言うと3人も同じ言葉をいう。


「そうだ、俺さぁ〜そろそろここを出ようと

 思うんだ」


いきなりに聞こえるが、実は前から考えてい

た事だった。


「旅に出ると言う事ですね、どこに向かうつ

 もりですか?」

「う〜ん、そうだな〜まずは東の小国大和の

 国に行ってみようと思うんだ。入国も楽に

 なったって言うし、ナルサスと行ってみた

 かったんだ」

「そう言えば言ってましたね、温泉があるん

 でしたっけ?」

「そうそう、すっごく気持ちよくて〜」

「裸で一緒に入れるくらい大きいんですよね?」

「そう、大きくて……裸で……//////べ……別に

 やましい事なんて考えてないからっ!」


ナルサスの言い方に真っ赤になりながら言う。


「お熱いね〜〜〜。」

「ケイヒードからかわないで!」

「こんな人間のどこがいいのか……性格悪い…」

「ほう、夜の食事はいらないようですね……」


ナルサスの言葉にラナが一瞬、言葉に詰まった。


「それで?俺らは一緒に行ってもいいのかい?」

「ケイヒードは行きたくないの?」

「いや、そう言うわけじゃねーけど……ナルサス

 の旦那と新婚旅行に邪魔者は不要なのかと…」

「ち……違うから!そうじゃなくて、冒険者とし

 て色々な国を見て回りたいなって……」

「ま、邪魔な時は言ってくれれば他所に行きます

 から…」


気を利かせてくれるケイヒードに余計に恥ずかし

くなった。


こうして、五年と言う年月を経て、やっとこの地

を離れる覚悟をしたのだった。


散々エリーゼさんや屋敷の人には心配され、反対

されたが、今の神崎のパーティーは安定して収入

も得られて、それでいて、強さにも申し分ないく

らいだった。


神崎の魔法もかなり上達した。


そして心配ないくらいになったので、今回旅に出

る決意をしたのだった。




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