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第二十二話 目的 

「ステータス、オープン!」


神崎の声に反応するかのように手の甲から表示が

出てきた。



レベル1

神崎 奏 性別 男

魔法属性 火、水、風、土、木、闇

魔力 ♾️

スキル 魔力が続く限り周りにシールドを張る。

    支援職 *****


「これは……支援職部分が文字化けしてるね……」

「……なんで……」


驚くのは弘前だけではなかった。

神崎自身、魔法など使えない。

なのに、魔力が多いし、その上で全属性が使える

となっているのだった。


「魔法?それも全部の属性?」

「あぁ、言ってなかったっけ?その体はどの属性

 にも適しているんだ。だから使いたい放題なん

 だ。ただし、こまめに魔石を食べて補充してお

 く必要あるんだ…はい、これね」


そういうと、小さな袋を手渡してきた。

その中にはいくつもの魔石が入っていた。


「これは……石?」

「魔物の魔石だよ、食べておいて」

「食べる?ってまさか本当に食べるのか?」

「もちろん、美味しくはないけど、食べないと魔

 力が尽きると困るからね」


ゴクリと喉が鳴る。

見た目にもただの石にしか見えない。

それを食べろと言われても、少し悩む。


恐る恐る口に運ぶと口に含んだ。


舌の上で何度も転がすと、まるで溶けるように消

えてしまった。

後に残ったのは、生臭いような味だった。


「うっ……な、なんの味だよ、これ……」

「聞きたい?」

「……いや、聞きたくない……」


魔石は美味しくないというのを知ったのだった。

早くこの身体から抜け出したい。

そうするには、あの神と名乗った人物の言う通り

にまずは星の雫を完成させて願うしかないのかも

しれない。


元の世界に戻る事……。


いや、時間を戻してもらう事。

そして…もう二度とこの世界に干渉しない事だっ

た。


「まずは魔法の使い方から覚えてもらおうかな」

「分かった。俺は何をすればいい?」

「……なんか」

「どうかしたか?」

「いや、神崎くんが素直になってくれて嬉しいよ」


弘前は最初動揺したような神崎がどう言う反応で

来るのかと不安だったが、ここまで素直だと色々

このあとが楽だった。


「まずはここから離れないか?道々でもいいだろ

 う?」

「あぁ、もちろんだよ」

「それと、契約獣の話だけど…」

『またれよ、まだ……』

「そうだね、急ぐ必要はないよ。それに身を護る

 いう事ではいた方が楽だしね」


少しホッとしたような魔物は神崎を眺めてながら

何か言いたげだった。


「わかった。今はこのままでいいよ」


神崎もそのままでいる事を承諾したのだった。


「これ、使って」

「これは?」

「アイテムを入れるのに僕が作ったカバンだよ」


異空間をつなげたマジックバックだった。


「中の容量が見た目よりいっぱい入るんだな…

 ありがとう」

「そもそも、神崎くんの為に作ったんだけどね。

 アイテムボックスが使えにないから仕方ないん 

 だけどね」

「アイテムボックス?」

「そうだよ、僕らのような異世界人は特殊なスキ

 ルと、全員がアイテムボックスを持っているん

 だ。これは魔力に比例して大きさが異なるんだ」

「へぇ〜そんなのあるんだな〜」


神崎とて知っている。

が、弘前は神崎が使えないと思っているようだっ

た。

これは作られた身体だからという事なのだろう。


なら、ここは使えない事にしておいた方がいいだ

ろう。


「助かるよ…」

「中には六畳くらいの荷物が入るはずだよ」

「へぇ〜、結構便利なんだな……」


手を入れて、中を確かめたのだった。



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