表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
293/319

第二十一話 新しい身体

この世界の人間の命など弘前にとっては取るに足

りないものらしかった。


「早く東に行こう。残りのカケラを探しに行くん

 だろ?」

「あぁ、それなんだけど…神崎くんは戦い方を覚

 えてからでもいいかなって思ってね」

「戦うって…俺にはそんな力は……」


少し黙ると弘前の横にいる魔物を見た。

なぜかおとなしくしていて、さっきまでの恐ろし

さは感じられなかった。


「その……契約獣ってどう言う意味なんだ?」


自分と契約しているという契約獣について気にな

ったのだった。

自分がこの身体になった事で、もし使役している

獣がいるのだとしたら、それがどういったものな

のか知っておく必要があったからだった。


「えーっと、見た目的にユニコーンみたいだけど

 ……君の名前は?」

『主が付けた名前だ、主人以外に名乗る気はない』

「あ、そうだよね……なら君の主は?」

『………』

「やっぱり俺になるの?ならさぁ〜……」

『お前は主じゅない!命令を聞く気はないっ!』


同じ人間でも、別と考えているらしかった。


「おい、神座くんには変わらないだろう?」

『それでも違う……主はこんな奴とは違う』

「う〜ん、俺も記憶にないし、仕方ないよ。弘前

 くん、契約獣って解除ってできるんでしょ?

 やり方教えてよ」

『なっ……何を言い出すんじゃ』

「ちょっと、神崎くん?これでもこいつは使える

 んだよ?君には逆らえないし…」


同時に声が出る。

まさか契約の解除を申し出られるとは思ってもい

なかったのだろう。


「だって、別人には使われるのは嫌でしょ?だか

 ら解除して自由になるべきだよね?」


平然と言ってのける神崎に一人と一匹は息を呑ん

だのだった。


『そ…そんな事は……』

「わかった、解除の方法は教える。ただし、その

 場合は殺して魔石を取ろう」

「は?」

『なっ!』


いきなりの弘前の言葉に神崎も驚きの声を出した。


『主、今のままでいいぞ!我は構わん』

「え、え、えぇ……」


一人と一匹の反応を見越していたかのように弘前

が笑い出すと、はめられた気がしたのだった。


「弘前……お前性格悪くなっただろ?」

「別に?僕は神崎くんさえさん無事なら、その他

 がどうなろうとどうでもいいんだけど?魔物な

 んてただの素材に過ぎないしね…」


仲間という意識はないらしい。


なら、どうして一緒にいたのだろう。

いや、違うか……。


考え直す必要があった。

もう一人の神崎についてきたのだろう。


どう言った経緯かは聞いたが、それでも信じられ

なかった。


「まぁ、それでいいよ。で?俺はどうすればいい

 のか聞いても?」


神崎は開き直るように話し出した。


「まずはステータス見せて貰える?」

「分かった」


ステータスは前のままなら支援職として優秀らしい。

ナルサスやエリーゼが常にそう言っていた。


アイテムボックスは向こうの身体で持っていたまま

受け継いでいるらしかった。

その為、ポーションも入ったままだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ