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第六話 連携の取れたパーティー

その頃、領主の屋敷から少し離れた小さな家で暮

らす事になった神崎とナルサス、そしてケイヒー

ドとラナはいつものように冒険者ギルドへと来て

いた。


いつもの様に採取依頼と近場の魔物の討伐依頼を

受注すると、出かけていく。


最近ではエリーゼが兵士の訓練で手が離せないせ

いかこの4人で行動する事が多くなった。


ケイヒードとはナルサスと同じく奴隷契約をして、

ラナとは契約獣としての契約を交わしている。


どちらも主人には逆らえず、傷をつける事はでき

ない。


それでも過去の愚行があるせいかラナは今もナル

サスからはあまりいい顔はされていない。


ナルサスは常に神崎の側にいるし、余計な話をす

る事すら睨まれるようになっていた。


「今日はコボルトとその近くに自生する薬草採取

 だから…って、そろそろ仲良くしてよ〜」

「だからといって奏に失礼な態度を取っていい理

 由にはならない!おい、そのだらけた態度はな

 んだ!」

「ちゃんと聞いてしまたよ〜」

「そうだ!聞いているんだから文句ない」


ケイヒードは一応自分の立場をわきまえてはいる

のだが、ラナの方はそうは見えない。


いつも生意気で、手に負えないのだ。


「態度が悪い分食事は抜きでもいいんだな?」

「それは困る」

「そんなの横暴だ!食事抜きなら働かないぞ!」


ラナは食事が唯一の楽しみなのだ。

最近では神崎の作ってくれるご飯を誰よりも一番

多く平らげていた。


「もう、喧嘩しないのっ!」

「だがっ!」

「分かってまーす」

「同じ奴隷なのに、煩い」

「何を言い出すかと……夜は飯抜きだからな!」

「知らない、主人の命令しか聞かない」


ラナはどこまでいっても自由だった。


これでも戦闘になれば心強かったりもする。


前衛のナルサスとケイヒードが前に飛び出すと

その後ろから魔法を飛ばす。


獣人族にも魔力が高い者もいる。

珍しいというだけで、全員が肉弾戦を得意とす

るわけではなかった。


魔法職の獣人族は覚醒が遅く、何処かから膨大

な魔力を蓄える必要があった。


だから覚醒時に神崎の魔力を吸収したのだった。

そのおかげか、完全に覚醒したラナはちょっと

お高い杖を買って貰うと、戦闘力をメキメキ伸

ばしていったのだった。


「前に3体…その後ろに5体……だな」

「では、前にいる3体は気づかれる前に仕留める

 か、ケイヒードお前は右の1体を…」

「おいおい、2体も行けるのか?」

「問題ない…いくぞ」


さすが獣人族といったところだろう。

魔法など使わずとも匂いと気配で分かるらしい。


駆け出す前に神崎のバフがかかると、二人は真っ

直ぐに飛び出していった。


「ラナ、後ろの5体が気づいたら足止めしてくれ

 る?」

「ケイヒードに向かってくる方だけでいい?」

「二人の…だよ」

「うぅ……仕方ないこれもご飯の為……」


ラナの魔法が地面を這うと前にいた3体が倒され

ると同時に残りの5体が一斉にこちらに気付き向

かってきていたのだった。


足元が陥没すると怯み、足を止める。

その隙にケイヒードとナルサスが方向をかえる

と次の目標を定めると、上手い連携で次々と倒

していく。


「うん、やっぱり二人とも強いね」

「当たり前、ケイヒード強い」

「そうだね。ラナもよくやったよ」

「ふんっ、人間に言われても嬉しくない」


最近は神崎にだけちょっと態度が軟化した気が

する。

相変わらずナルサスは嫌いなのか反抗的だった。

もちろんエリーゼには声も出せないくらい怯え

るのも変わらなかった。

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