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第五話 ざわつく想い

数日の狩りで魔物の肝は手に入った。

問題は、まだ山積みだった。


「よし、レベルも上がったし、次の段階だな」


猪島は再び丸薬を鑑定した。


そこに映し出されたのは、主成分と配合だった。


「よし、順調だ!あとはこの毒素ってのを除け

 ばいい感じだな」


部屋に籠って考えるのは好きな方だった。

いつもゲームの攻略を何度も何度も繰り返し、

挑戦し、クリアへと繋がる道を見つけてきた。


「今回も、出来る。俺なら出来る!」


自分に言い聞かせるように何度も呟いたのだっ

た。


そして数年後には弘前が作った丸薬の劣化版を

作るの事になるのだった。





その頃、馬車を走らせる事数時間。


無事に目的のルイーズ領へと入ったのだった。

監視役の御者は賢者達が降りても帰る気配すら

なかった。


「ご苦労様でした。もう帰っていただいても…」

「いえ、賢者様のお役に立つようにと言われて

 おりますので…」


ずっとついてくるつもりらしかった。


「なぁ、康介。いっそまけばいいんじゃないか?」

「それもいいけど…探されると思うよ?」

「あ、そっか」

「仕方ないか……ちょっと待っててくれる?」

「いいけど……?」


弘前は業者を奥の脇道へとつれていった。

そこで何か魔力を感じた。


すると、何事もなかったのように出てきたのだ

った。


「さぁ、行こうか」

「さっきの人は?」

「うん、お帰りいただいたよ」


そういうと、後ろからさっきの男性が出てくる

とぺこりと頭を下げると馬車に乗り込み帰って

行ってしまった。


「多分、王の命令で僕を見張るように言われて

 いたんだろうね。だからその命令された記憶

 ごと消しておいたよ」

「……記憶を?……消す?」

「まぁ、簡単じゃないけど、僕にできなくはな

 いからね」

「……」

「どうかした?」

「…いや、なんでもない………それよりも、な

 んだが、この街に入ってから胸が騒つくんだ

 よなぁ〜、気分が悪いわけじゃないんだけど」

「魔石に何か起きたって事かな?」

「分からない……でも、胸騒ぎっていうか……

 懐かしいような、なんか不思議な感覚がして」


神崎にも応えようがない現象だった。


ただ、何かに引かれ合うような、そんな感じだっ

た。


「今日はゆっくり休んで、明日ギルドへ行こうか」

「うん、そうだな」

『主……』


心配そうに見上げてくるのを心配させまいと笑顔

で頭を撫でてやる。


「ユニ、心配ないって。」


弘前には神崎の変化に不安が過っていた。

もし、完璧だと思っていた事が、失敗だったら?


ずっと、人の命を蘇られせる実験や、永遠の命に

ついて研究をしてきた。


夜寝ている間も、ここでは何日もの時間を使えた

から、その分研究はできた。


「もし、気分が悪いならおとなしくしていてくれ」

「大丈夫だって〜」

「いや、念には念を入れないとな」

「そんなに心配すんなって…」


神崎ほど楽観視はできないと弘前はユニコーンに

神崎の側から離れないようにと言うと一人出てい

ったのだった。


宿屋には1週間分の料金が支払われている。


「ここには何かがあるかもしれないな……もしか

 して、星の雫の影響だったとしたら……」


星の雫、遙か昔から言い伝えられている伝承に書

かれている奇跡を起こす石だった。


その石は膨大な魔力を有していて、どんな不思議

な現象をも起こせると言われていた。


異世界を渡る人でしか手に入れられないとされ、

昔に一度異世界から渡ってきた人間がカケラを

手に入れたという。


それがこの前アルスラ帝国の宝物庫から回収して

きたカケラだった。





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