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第三十話 強化の丸薬

今回クラスメイト全員を召喚した時は、流石に魔

力不足と貧血で倒れたりもした。


だが、無事異世界へと連れてこれた。

これからが復讐の始まりだった。


大事な人をこの世界なら守れる。

そんな力がここにはあったからだ。


夢にまで見た魔法と剣の世界。


それこそが弘前にとっての理想郷だったのだ。


「暫く鍛えなきゃいけないみたいだね〜」

「ふ〜ん……」

「何?神崎くんは興味なし?」

「別にそう言うわけじゃないけど…」

「そうだね〜、いっそ全員死んでしまえば、すぐ

 にでも出ていけるね〜?」


チラリと視線が来ると、溜め息を吐き出したのだ

った。


「短期的に強化する方法は?」

「…」

「康介なら考えてあるんだろう?」

「まぁ〜ね」

「俺に出来る事は?」

「いっぱいあるよ〜。もしや手伝ってくれるの?」


わざとらしい言い方の弘前に腕の中にいたユニコ

ーンをぎゅっと抱きしめていた。


『主!?』

「あぁ、ごめん。」


ユニコーンとて、魔物。

真っ暗な毛に馬の体。

だったのだが、神崎と契約してから毛色は真っ白

に変わってしまった。

輝く様な艶のある毛並みと一本の立派な角。

それからユニコーンと名付けたのだ。


多少強く抱きしめたとて、命に関わる事はない。


「ユニも手伝ってくれる?」

『もちろん、主と共にあるのが我の望みじゃ』

「ありがとう」

「なら、話はついたね。目的だけど丸薬を作り

 たいんだ。」

「丸薬?」

「そう、身体強化の丸薬だよ」


弘前は昔の書物で読んだ事を話初めたのだった。


より強い魔物の肝を煮詰めて作る丸薬だとされて

いるらしい。

その為より多くの魔物を狩る必要があると言う。

強ければ強いほどいいらしい。


一粒飲めば飛躍的に魔力、腕力、身体強化などが

上がって、今まで出せなかった力が出るというの

だった。


「それ、すごいじゃん!」

「まぁ〜、賢者の間では結構知られてる事なんだ

 けどね」

「でも、なんで市販で売らないんだ?売れば冒険

 者なら喜んで買うだろ?」

「……」

『禁止されておるのじゃろう?そんな秘薬を使っ

 てただでとは思えんがのう〜』


ユニコーンの指摘した通り、効果が切れたあとが

問題らしい。

激痛に襲われて動く事は愚か飲んだ事を後悔する

ほどだという。


ただ、切れる前にもう一粒飲めば効果は続き副作

用も出ないという。


「それって……麻薬みたいじゃ……」

「そうなんだ、一回取り出すとやめられなくなる

 んだよ。ここぞと言う時に取ることをオススメ

 するつもりだよ。それに死ぬわけでもないしね」


神崎には弘前が言った死ぬわけでもないという言

葉が頭から離れなかった。





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