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第一話 生活スタイル

領主の屋敷を出たあとは、自分の家へと戻ってきた。


「おかえり……カナデお腹すいた」

「あぁ、そうだね。すぐにご飯にしようか」

「そこの犬、主人への言葉使いがなってないようだ

 な?今すぐに躾が必要なようだ」


ラナの言葉にナルサスがすぐに反応していた。


「ナルサス、ほどほどにね?」

「分かってます。では、ちょっと行ってきます」

「何をいう!私…悪くない…お腹減っただけ」

「ラナ、言っただろ?ナルサスがいる時は黙って

 ろって」


そんなラナを静かに見送るのはケイヒードだった。


こう言う時は全く庇う事はしなかった。

なぜならナルサスは神崎の奴隷で、同じ立場なの

だ。

もしラナが使い物にならなくなれば、責任を負う

のはナルサス自身だ。

そんな愚かな真似ができるはずがないのだ。

それを知っているだけに、多少厳しくとも他って

おくのがいいと思うようになっていた。


「カナデはメイドとか雇わねーのか?料理も全部

 やってたら大変だろう?」

「ん〜、大丈夫。俺好きで作ってるから」


ニッコリと微笑むとテキパキとしたくをし始めた。

火は火の魔石を叩くと簡単につく。


洗い物は水の魔石をはめ込んだ筒に魔力を流せば

勝手に洗ってくれる。


現世では当たり前に出てくる水がここでは魔法と

言う形で具現化していた。


が、神崎には生活魔法が使えなかった。

だから、あえて魔石に火、水、土を刻印してそれ

ぞれを危惧に埋め込み使っている。


それは、領主にも話したら画期的な発想だと是非

にとギルドへと持ち込む事になった。


そのおかげか、色々な場面で使われ、広まってい

ったのだった。


「そういえば、これを考えたのも主だったんです

 もんね〜どこでそんな知識を得たんですかい?」

「ん〜……領主様の書庫かな……」

「領主さんも驚いていたでしょ?まぁ〜、話した

 くない事ならそれでもいいっすけどね」


ケイヒードはあまりくどくどとは詮索してこなか

った。

 

そもそも獣人族は細かい事をあまり考えない種族

なのだという。


だから、細かい発明などは全く理解できないのだ

という。


要はただの脳筋なのだ。


しかし、便利な事には興味があるようで、家にあ

る色々な細工にはいつも興味深々だった。


そして、今はただ調理し終わった料理を眺めな

がら涎を垂らし、ステイする事だった。


大皿に盛られたものを主人が各皿に分けてから、

食事が始まる。


それを今か今かと待っている時間が長く感じてい

た。


「さぁ、二人を呼んでこないとね。ケイヒード、

 いいかい?」

「すぐに連れてきまっす」


視線は机の上に料理に釘付けだったが、名残り

推しそうに視線を外すと、二人を呼びに行く。

今まで食べていたものが異次元のもののように感

じた。

主人のご飯を食べて以来、他所で食べる食事が、

どうにも美味く感じられなくなったのだ。


肉を焼けば食べれなくはない。

だが、香辛料を使うと格段に味が変わる。


塩だけでも画期的だったが、カナデの作った調味

料は何にも変え難い味だったのだ。

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