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第四十八話 突然の再会は

ルイーズ領を追われた傭兵団と長野達は、行き先

を変更して砂漠の国イビル国へと進路をとった。


「砂漠の街って何も無さそうだよな?」

「いや、あそこは砂漠越えをすればサンドワーム

 と戦う事になる。海路で行けば安全だが、砂漠

 のサンドワームは高く売れるんだ」

「なるほど。資金調達というわけか!」

「あぁ、団長はそのまま王都での仕事があるが俺

 らは別の落ち着ける場所を見つけなきゃならね

 ーからな」


そう言うと、地図を見せてきた。

長野は砂漠と聞いて嫌な顔をした上島を無視して

話を進める。


「そして最近各地でダンジョンの消失が報告され 

 ているらしい。それもいきなりだ。イビル国に

 は3つの大きなダンジョンがある。一つは初心

 者用のダンジョン。あと二つは中級レベルのダ

 ンジョンらしい。」

「そこも儲かるのか?」

「まぁまぁ、かな。貴族の領地にできていて、入

 るにも多くの金がかかるらしい」


傭兵の話によると、夜のうちに潜り込んで朝まで

に荒稼ぎして戻れば、気づかれずに入れると言っ

ていた。


「なるほどな。常に見張りがいるわけじゃないん

 だな?」

「あぁ、そう言う事だ」


長野は砂漠を越える準備をすると、サンドワーム

に警戒しながら向かったのだった。


一緒に傭兵達もいるのでそんな大変な事にはなら

ないと考えていた。


が、予想とはいつも裏切られるものだった。


全く魔物がいなかったのだ。

サンドワームも一体も出てこない。


人の足音に敏感で、ひと飲みにされかねないと聞

いていただけに、予想外の状況だった。


あっという間に砂漠を超えてしまい、サンドワー

ムで儲けるという話が消えてなくなった。


「おい、サンドワームってのは臆病なのか?」

「やめろ。竜」

「だがよぉ〜、これじゃただ砂漠を渡ってきただ

 けだろ?」

「怪我なく渡れたんだ、それでいい」


砂漠は予想以上に足を取られ、まともに歩けなか

った。

もし、あそこで戦う事になったらと思うと、ぞっ

とした。


長野はあんな場所で戦える気がしなかったからだ。


「砂漠を越えてきたんですか?ご苦労様です。こ

 の前にも砂漠を越えてきた冒険者さんが来たん

 ですよぉ〜、サンドワームの素材をいっぱい持

 ってきてくれて〜」

「おい、そいつらは今どこにいる?」

「え?それは冒険者さんですから〜、きっとダン

 ジョンですね!でも、今ちょっとダンジョンは」

「ダンジョンだな!ちょっと文句言ってやろうぜ」


上島が腹を立てて捲し立てると、丁度入ってきた

人物と目があった。


「おい、あいつ……」

「ん?……神崎じゃないか?」


その顔は見覚えがあった。

深くフードを被った男の横になにか話ながら来た

もう一人。

それは、よく自分たちが虐めていた人物に酷似し

ていたからだった。


全く媚びず、いつも反抗的な目で見上げてきたあ

の目が、どうにも気に入らなかったのだ。



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