表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
210/319

第二十九話 とある事情のパーティー

神崎と弘前の二人と別れたパーティーは奥にある

魔物を倒すべく向かっていた。


「それにしても二人で行くってダンジョンを舐め

 てるわね〜」

「そうでもないと思うぞ?あの何も知らなそうな

 坊や、魔力が凄かったわ。魔剣士ってところか

 しらね〜。」

「ふんっ、それでも…俺らが誘ってやったのによ」

「そんな事言ってねーで、戦闘準備はいいか?」

「あぁ」

「もちろんよ」

「えぇ」

「……」


各々武器を持つと魔物が近い事を察する。


ゆっくりと警戒しながら近づく。

が、そこには何もいなかった。


いなかったというより、大きな木が立っているだ

けだった。


何かがいるわけでもない。

足跡もない。


「おいおい、どういう事だ?これは……」

「いや、確かにここに大きな魔力反応が……」


魔法師の女性は疑問に思いながらも魔力探知を再

びかける。


地面に手を当てると、もっと魔力を込めたのだっ

た。


「おいおい、探知の腕が鈍ったか?」

「そんな事はないわ。確かにここに……」


そう言った瞬間。

ヒュンッと枝がしなる音がして、地面に何かが転

がったのだった。


「おい、まだか?……おい、こいつは……」

「戦闘準備!」


地面に転がったのはさっきの魔法師の女性の首だ

った。


血が吹き出すより、倒れる方が早かった。

それを見たメンバーはすぐさま武器を取った。


目の前の大きな木がうねうねと動き出すと、枝が

次々としなりながら攻撃して来た。


剣で切り捨てようにも太過ぎて切断できない。

盾で防いでも、何本も連続で攻撃されれば盾が持

たない。


「おい、一旦退去するぞ」


リーダーの声に、全員が賛同した。

そして一気に来た道を戻ったのだった。


戻ると言っても、それは簡単ではなかった。


なぜなら、さっきまで普通の森だった道には無数

のトレント達が待ち構えていたからだった。


「おい……前からも……」

「ちょっと嘘でしょ?こんなの前はなかったじゃ 

 ない!」


一度来た事があるような口ぶりに意外性を感じる。

この森にトレントがいる事自体を知らなかったと

思わせる会話だった。


「ここはサトリの縄張りのはずだ……なのになん  

 でこんな………」


ここの森一体を縄張りにしている魔物。

サトリ。

馬の見た目をしていて、真っ黒な艶のある毛並み

は夜でも光り輝くという。


ただ、見た目と反して攻撃は突進攻撃や、噛みつ

き攻撃。そして全体攻撃と実に俊敏で厄介な魔物

だった。

重力を操る厄介な魔物だった。


前に遠征隊を派遣して引き分けたほどの実力だ。


ただ、その遠征隊が帰ってきてから数日と経って

いない。

まだ瀕死なのなら、倒せると踏んでの今回のパー

ティー編成だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ