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第十七話 近い距離

部屋は広く、頭上がやけに高い。

その理由は、ここのボスが翼を持つ魔物。

グリフォンだったからだ。


魔物の特性を活かした部屋になっているという事

なのだろう。


「氷で翼を狙う、神崎くんは電流で僕の当てた場

 所を狙えるかい?」

「おっけ。康介頼むぞ〜」

「誰に言ってんの?この世界の大賢者様にそうい

 う事言えるのは神崎くんくらいだよ?」


そういうと、一気に高速で手の中の氷柱を発射し

たのだった。


距離は300メーター……当たらない距離ではない。

大きな巨体では俊敏には動けないのだろう。


向こうも一気に下降して来るが、弘前の魔法のが

早かった。


両方の翼の付け根から先端に3つずつ、計6本の氷

柱を突き刺したのだった。


そこに向けて稲妻を起こす。


水は電気を通す。

刺さった氷柱に向けて当てると、身体の全身へと

一気に電気が走った。


いくらボスといえど、そう易々と逃れられはしな

いだろう。


バリバリバリッと大きな音がして、グリフォンの

身体へと電流が走る。


手加減など全くしていない。

全力の魔法をぶち込んだ。


ズシーンッと大きな音がして地面に落下してきた

のだった。


「早くトドメを」

「分かってるって」


神崎が近づくと、ピクピクと痙攣しているうちに

首を切り落としたのだった。


大きく丸太のような太さの首をスパッと切り落と

した。


すると、パキーンッとさっきまで使っていた剣が

折れてしまった。


「あ〜〜〜、折れちゃった……」

「まぁ、安物だったしね。今度はもっといいやつ

 でも買おうよ」

「そうだな…」


弘前は神崎に魔石を取り出すように指示すると奥

の部屋へと行ってしまった。


帰ってきた時には、手に紫の石が握られていた。


「神崎くん、これを」

「これって、あの星の雫ってやつのカケラか?」

「そう、これで3つ目かな。君が持つべきだと思

 ってね」

「そう言われてもなぁ〜。これも食べるのか?」

「いや、食べなくても持てば分かるよ」


言われた言葉の意味を理解する前に、石を握る

と自然と胸の辺りが熱くなった。


「なっ…これは……」


抑えようと手を近づけると、すうっと石は吸い

寄せられるように胸の石に入っていった。


「うわぁっ!消えた?」

「石同士で統合されたんだよ」

「それって、いいのか?」

「あぁ、そうやって12個揃うと、完全な石にな

 るんだよ」


弘前は嬉しそうに街へと行く事を決定したのだ

った。


街についた時には、すでに真っ暗になっていた。

これでは買い物どころではない。


「まずは宿屋に泊まろうか」

「ふた部屋はなんか勿体無いよな?」

「だったら一部屋にする?僕は構わないけど…」

「俺もいいよ?勿体無いし、そうしよっか」


なんの気なしに言った言葉なのだろうが、弘前

には嬉しい誤算だった。


息が聞こえるほど近くで寝るなど、嬉しさのあ

まり、身震いしたほどだった。

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