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第十四話 冒険者登録

アンネは少し寂しそうな顔をした。


「何かあったのですか?」

「いえ、せっかく友人になれたのに、他人行儀なん

 だなって…」

「それは………わかったよ。でも、はっきりさせて

 おきたんだけど、俺は男だから!普通男でドレス

 とか着ないからね」

「まぁ…でも、可愛らしいお顔をしていましたので

 てっきり……エリーゼも男装していると」

「それ、勘違いだから!」


本当なら、若い男女が一緒にいるというのは大丈夫

なのだろうかと聞きたいくらいだった。


見た目的には、自分も最初は性別を確認したくらい

だ。

他人だったら、分からなくても当然だった。


「冒険者ギルドに行ってみたいです。このままお世

 話になりっぱなしってわけにもいかないので」

「そんな事でしたら、構いませんのに……、明日に

 でも案内させますわ。」

「ありがとうアンネさま」

「カナデさまは律儀なんですのね」

「だから様はやめてって、俺と年齢も変わらないだ

 ろう?」

「そうでしたわね。カナデさん、わたしくもアンネ

 とお呼び下さい。それと……冒険者になってどう

 したいのですか?」


アンネの疑問も当然だろう。

この屋敷に居候させてもらえているうちは、何もし

なくても客扱いされて、のんびりできるのだから。


だが、ずっとこうやってのんびりしているわけにも

いかない。

レベルだって1のままじゃ何もできない。


ましてや支援職である神崎には、どうしても仲間が

いるのだ。


シールドしか使えない神崎は仲間なしでは自分を守

る事しかできず、敵を倒せない。


「どうしましたの?」

「いや、なんでもないよ…」


後日、屋敷に仕えている使用人に案内されながら街

の散策兼、冒険者ギルドへと登録しに行ったのだっ

た。


「すいませーん。冒険者登録したいんですけど」

「冒険者登録ですね。こちらにサインをお願いしま

 す。」


差し出された紙にサインを書くと青白く光だした。

それを箱に入れると、カードが出てきた。


「では、身分証を提示してください」

「カードオープン」


手の甲から出てきたカードをまじまじと見ると、にっ

こりと笑った。


「はい、犯罪歴無しですね、そのまま登録しておき

 ますね」


そういうとそのままカードにギルドカードを合わせ

た。

する手の中にあったカードに冒険者と職が付け加え

られたのだった。


「えーっと、早速依頼を受けて行かれますか?」

「それが……俺支援職で、自分では戦えないんです」

「それでしたら……メンバー募集して一緒に参加す

 るのもありですよ?荷物持ちや解体作業専門だと

 か、戦闘以外にも必要な職は多いですから」

「それならできそうです!そうだ、解体といえば!」


あの熊の事を思い出す。

結構時間が経っているが、今どうなっているのだろう。

アイテムボックスから取り出すのをまるで鞄から取り

出したように見せかけて出してみる。


「これって買い取りできますか?」


出したのは生肉と熊の爪、魔石、毛皮だった。


あれだけボロボロだったのが、アイテムボックスに

入れていただけなのに、綺麗な状態になっていた。


「剥たてで、鮮度もいいですね!お肉に関しては隣

 の食堂の方で聞いてみて下さい。その他は全部売

 却でよかったですか?」

「はい」

「分かりました。後日査定して換金してお渡ししま

 すね」

「分かりました。」


その日はパーティーメンバー申請だけして帰ってき

たのだった。

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