39話 ジュンパナ
いらっしゃいませ!
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ぜひ楽しんでいってください!!✨️
俺は何故かメイドさんたちに凝視されながら紅茶を選んでいた。
さすが大公閣下なことあって、紅茶の種類は思ったよりある。少し選びずらいな、と思いながらある紅茶の茶葉を見つけた。
「これ…ジュンパナですか?」
「えぇ、そうございます。」
「……これを淹れてもいいでしょうか」
「勿論です。道具もどうぞご自由にお使いください」
そう言いながら眼鏡をかけたメイドさんが案内してくれる。
案内された先には大きなテーブルが大きな部屋の中に存在している。
そこにはイギリス式のティーポットやフランス式のティーポット、オランダ式のものやロシア式のものインド式、トルコ式、モロッコ式、中国式など多くのティーポットが並んでいた。
もしかしたらそれに似た国々がこの世界にもあるのかもしれない。
淡く期待を持ちながら、スキル:アイテムに入れてきた自分のティーセットを取り出す。
周りが一瞬ざわめいたが、気にする間もなく一瞬で静かになる。
テーブルに乗っているほかのものも見てみる。ラム酒やブランデー、ウイスキー、リキュール等のアルコール類や柑橘系の花の蜜から取れた蜂蜜なども置いてある。
「…よし!じゃあ紅茶淹れ始めるので、少し離れていてもらえるとやりやすいです…!」
「あ、申し訳ございません。ほら貴女たち、下がりなさい!」
「「は、はい!」」
一人のメイドさんが号令すると他のメイドさんが一斉に部屋から出ていく。そんなに怖がらなくていいけど…悪いことしたな……。
そう思いながらも紅茶を淹れていく。まず最初にティーカップの中にお湯を少し入れ温めておく。その後にティーポットに茶葉を入れお湯を注ぐ。
そして数分間蒸らすのだ。その間はトレーの上にジュンパナに合いそうなアレンジの材料を乗せていく。
時間がたったので、茶葉を取り出す。そしてイギリス式のティーポットに移す。
「完成ですか…?」
「はい!お待たせいたしました」
「いえ、随分と手際が良く見惚れてしまいました…、それでは持っていきますのでお先に先ほどの客間へとお願いいたします。案内はそちらの執事が担当致します。」
メイドさんが手を向けたほうを見ると人当たりのよさそうな執事さんがお辞儀をした。
俺は言う通りにその人についていって、客間に戻る。ディアさんと大公閣下が仲睦まじく談笑している。
ユシュも会話に入れているようだ。俺がディアさんとユシュの間であり、大公閣下の正面に座ると、先ほどの眼鏡をかけたメイドさんが持ってきてくれた。
「急にごめんなさいね、コーヤさん。ディアったら一度言ったら聞かないもので…」
「もう!叔母様ッ!言わないでくれ!!」
「フフッ…あら、とてもいい匂いがするわね…?」
大公閣下が紅茶の方に目を向ける。いつの間にかメイドさんが皆の前に紅茶と茶菓子を置いてくれていた。
大公閣下が一口飲むと、大きく目を開ける。続いてディアさん、ユシュが紅茶を手に取る。
「美味しい…!!こないだとはまた違う美味しさがあるな!!さすがだ!コーヤ!!」
「これは……ジュンパナかしら?上手に淹れるのには何年も修練が必要というのに……」
「そのように言っていただき、とても嬉しいです」
俺が頭を上げると、大公閣下の赤い瞳が俺をじっと見ていた。心を見透かされているような、見極めているような。
威厳の残る瞳に思わずたじろいでしまう。
「…なぜジュンパナを選んだのかしら。他にも種類はあったはずよ?」
「えっと…ディアさんのイメージに合っているかなと思ったので。ジュンパナというのは虎を倒したジュンという男の勇気を称してつけられたという説があります。この国に来る前にディアさんに言われた守る、という言葉に俺はとても勇気づけられました。なので、えっと……」
「…そう、ありがとう。………この国をよろしく頼むわね」
大公閣下は優しく微笑んで、紅茶を飲んでくれた。
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