37話 喧嘩
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「ここが私達の国、フィアナ王騎国だ」
そう言ってディアベイルが馬車を降りる。木は枯れ、畑は荒らされ、家は見えるが人は居ない。
あまりにも静かな雰囲気に困惑する。どうやらそれは俺だけではなかったようだ。ユシュが顎に手を当ててぽつりと言う。
「前に来た時は豊かな国だと思っていたがこれは……」
「…そうか、前に来たことがあるのか。変貌してしまっただろう。少し前までは豊かで盛んだった。それがこんな状態だ……」
「コレも例の首なし騎士の仕業なんですか?」
「まぁ、間接的なものだが。首なし騎士が現れ、民が脅え家から出てこなくなり手入れがずさんになった。……私は奴の事が許せん。」
俺はディアベイルさんの眉間の皺が深くなったのを見てから、もう一度周りを見渡す。
こんな状況で俺は何ができるだろうか…。そう考えて居るとディアベイルさんが俺の目の前に飛び出てくる。
吃驚する間もなく、カキンっ!と金属のぶつかり合う音がした。どうやらぼーっとしている俺を襲おうと賊が現れたようだ。
しかしいつの間にディアベイルさんが倒していて、肩を下ろす。
「大丈夫か!?コーヤッ!!」
「ディアベイルさんのおかげで無事です!ありがとうございます!」
「よかった…。ところでコーヤ。ディアでいいぞ!」
「ディアさん?」
「あぁ!コーヤは本当にかわいらしいなッ!!私の婿になるか?」
唐突に抱きしめながら冗談を言ってくる。俺は少し困りながらとりあえず行き場の失った手を上にあげておく。
ユシュは楽しそうに笑いながら、ディアさんに抗議をし始める。
「ディアさんって僕らも呼んでいいかな?さぁ、コーヤを離して?ディアさん?」
「……そのように呼ぶのはマナーが悪いんじゃないか?坊ちゃん?」
「そうだね、立場的には君の方が上さ。だが、コーヤを離すまでやめないよ?」
ディアさんとユシュの間で火花が散っているような気がする。
俺が苦笑いをしていると後ろからこそっとアルが話しかけてくる。
「実はディアベイル様は女王陛下にあられるですよ!」
「そうなのか!?俺なんかが愛称で呼んじゃダメじゃない?」
「……まぁ、ご本人様が許可をしているのですから、いいんじゃないですか?」
「そうかな……?」
火花を飛ばしているディアさんとユシュ、後ろでニコニコと見守っているアル。
さて、旅が進まなそうな予感があるが…。俺は不安になりながら、二人を宥めた。
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