33話 祝福
いらっしゃいませ!
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本日はなぜか綺麗なカッコイイ恰好をして、王城に招待されています…。
理由はどうやら俺の店で出している紅茶を他国からユシュの三番目のお兄さんであるトワレさんに嫁いでくる姫君と見合いだそうだ。そのため、品の高い出し物しか許されないのだが、そこでユシュの兄弟全員一致で俺の紅茶を出そうということに決めたらしい。
ちなみに長男のパルファムさんはすでに二人の子供もいて、次男のオードさんも愛妻家でかなり有名らしい。
三男のトワレさんは34歳で遅い方だという。のらりくらりで今まではかわせていたが、今回に関しては国同士の政治的な物が絡んでいるのでかわすことは不可能だったようだ。
俺がどの茶葉を使おうかと悩んでいると、トワレさんがやってきた。
「…オレもだけど、相手も緊張しているだろうしリラックスできるお茶ってないかな?」
「リラックスできるお茶ですか?ありますが…種類が結構多いです……」
「じゃあ、フルーツ系のリラックスできるお茶って言ったら?」
「それならッ!!」
俺は少し奥の方の棚から引っ張りだして、トワレさんに見せる。
その茶葉の名前はウェディングというフレーバーティーだ。
色とりどりの花びらをふんだんに使用したフレーバーティーは、祝福の気持ちを含ませている。
「ウェディング、か…。じゃあそれで、お願いするよ。」
トワレさんがその場から去ったのを見送ってから、俺は作業に取り掛かる。
茶葉をティースプーンで持ち上げ、ティーポットの中に入れる。今日のティーポットはその結婚相手の国で有名なガラスのものだったため、中で花が散っているのが見える。
蒸している最中に俺は移動をして、二人がいる部屋に入っていく。そして目の前で注ぐ。
緊張しているような雰囲気が漂ってはいるが、仲は悪くは無さそうだ。
「こちらウェディングとなります。お二人のご結婚に祝福を…」
「まぁ、素敵ね…!」
「えぇ、特にこのコーヤが淹れた紅茶は別嬪なのです」
「フフッ!楽しみだわッ!!」
なんともかわいらしいおしとやかなお嬢さんなので、トワレさんにお似合いだろう。
俺が二人に紅茶を分けてお出しする。二人は嬉しそうに飲んでくれた。俺はニコニコとその様子を見守る。
しばらくすると、トワレさんの執事であろう方がトワレさんに耳打ちをする。
「失礼…緊急の呼び出しが入りましたので、少し席を離します。すぐに帰ってきますのでお待ちください。」
そういってトワレさんは席離れていった。どうすればいいかわからなくなってしまった姫君は俺に目で訴えかける。すると、話を掛けてくれる。
「ねぇ紅茶、美味しかったわ…!どうもありがとう。……ところで、トワレ様は、どうゆうお方?」
「とっても優しい方です。本日のこの紅茶も姫君の事を考え、私にお願いしてまいりました。」
「…そう、なのね……。あっ!いえ、嫌なわけじゃないのッ!!ただ、物静かなお方なので不安になってしまい…」
「ではトワレ様が帰ってきましたら、姫君から話しかけてはいかがでしょうか?」
「…わかったわ!そうしてみる!!」
姫君は少しガッツポーズをして、フフッと笑う。
俺はこの二人の祝福を紅茶にのせて、もう一杯注いだ。
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