21話 尋問
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俺は第五王子に関した者として、牢屋に捕まっていた。
自身の漏らしたため息が現実だと知らせる。
「……わかりたくなかったなぁ…」
ボソッと口にする。
ノアさんの話を聞いた時からなんとなくわかっていた。誰が第五王子なのかを。
「……ユシュは無事かな…?」
目がぼやける。光が揺らぐ。
何であんなにいい奴がそんな仕打ちされなきゃいけないんだ…!!
…ユシュ、紅茶嗜んでいたって言ってたし貴族ってことは察してたけど、まさか王子様だったなんて…。知らなかったなぁ…。
俺は天を見上げて、氷のように固い毛布に包まって目を閉じた。
◇◇◇◇◇
「おい!!おきろ!!この悪人!!」
目を開けた瞬間、俺は足で腹を蹴られた。腹に痛みが走る。
目の前に赤いマントを肩から垂らし下げ、ガチャガチャと黒い甲冑を鳴らす奴がいた。
即座にこいつに蹴られた事を理解した。横からも声がする。
「彼を起こす事は許可したが、暴力は許可していない。」
その声はノアさんのものだった。
ノアさんは奴よりも軽装備に見えるシルバーの甲冑を着ている。
「…ノアさん?」
「……なんだ。」
ノアさんの俺に対する声は冷たく、昨日のような優しい声色は跡形もなく消えていた。
俺は少し心を痛ませながら立ちあがる。
「…これはどうゆう状況ですか?」
「はっ!貴様に対する尋問を行う!!さっさとこっちに来い!!」
俺は黒甲冑に押されて、ノアさんの方に投げ飛ばされる。
ノアさんは俺を受け止める。それにはどこか優しさを感じられた。
「…コーヤ。こちらに来い」
「…はい」
俺はノアさんの後を追った。
数分歩き、着いたのは椅子が3個と机が2個の簡素な部屋だった。
木でできた椅子に誘導される。
ドア付近にはノアさんがいて、対面には黒甲冑がいる。
斜めにある机にはノアさんと同じ格好をして、紙を目の前にペンを持つ人がいた。
まるで警察ドラマで見る取調室だ。
「さて!お前のような反逆者にオレが直々に制裁を加えてやる!感謝するといい!!」
「…はぁ…」
気の抜けた声を出すと、イラつきを隠せない態度で机をたたく。
「クソがっ!!舐めた態度とるな!!というか、お前のような屑に聞くことなんてない!命令だから形式上連れてきたが、こんな茶番は終わりだ!!」
急に腰につけた剣を抜き、振りかぶってくる。
現実味の無い状況に困惑させながら、腕を顔の前でクロスさせる。
しかし、その剣は俺に当たることはなかった。
ゆっくりと目を開けると、ノアさんが目の前に居た。
「それ以上は看過できない。」
「ほう!出来損ないの第二騎士団の長は犯罪者を援護するほどに落ちぶれたんだな!!」
「犯罪者?彼の者はまだ、犯罪者と決まったわけではない。一般人を犯罪者呼ばわりとはいいご身分だな」
「ふんっ!!その人間は!王の寵愛する王子を誘拐したんだろ?じゃあ犯罪者じゃないか!!」
「お前はこの方が実際に法を犯したところを見たのか?!見ていないだろう!!」
「だが、我らが王がそうおっしゃっている!!王の言うことは絶対であろう!!」
「はっ!お前は何も知ろうとしないんだな!!ブラン!!」
俺はこの会話を聞きながら、ノアさんの怒り悲しみをなんとなく感じた。
「なんだとっ!!じゃあ、お前は王が信じられないというのか?!」
黒甲冑は顔を真っ赤にさせ、眉間にしわが寄る。声にも怒りがこもる。
そんな黒甲冑にノアさんは冷静を保って言う。
「…今回に関しては、信じられない」
「……チッ!」
舌打ちをした後、乱暴にドアを開け出ていこうとする。
それにノアさんが反応する。
「待てブラン。…頭を冷やしてくれ」
「…お前こそ、頭を冷やせノア」
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