17話 ユシュの師匠
いらっしゃいませ!
見てくださってありがとうございます!!
ぜひ楽しんでいってください!!✨️
「さぁ!今日は二人の初めてのバイトだ!最終確認しよっか?」
「オッケーっす!!」
「しょうがないわね…?」
「オレは片付けと食器洗いっすよね!」
「私は配膳と接客ね?」
アルくんはやる気満々で、アンナさんは少しめんどくさそうに言う。
…アンナさん、ちゃんと仕事してくれるのかな……?
とりあえず、細かいところまで、仕事を言い渡す。
「ん~、こんなもんかな?ほかにわからないことがあったら、遠慮なく呼んでいいからね?」
「わかりましたっ!」
「わかったわよ」
「じゃあ、オープンするよ!!」
ドアについている立札を反対向きにさせる。
朝早くから並んでくれていたお客さんが入ってくる。
「いらっしゃいませ!」
アンナさんは一気に入ってくるお客さんたちを丁寧に対応していく。
おぉ!ちゃんと仕事してくれてるなぁ~!俺も頑張ろ!!
そして、俺も茶葉を持って仕事をし始める。
そこそこ仕事に慣れて、落ち着いた頃。
ユシュが明らかに年上の渋い、シルバーの髪をしたおじさまを連れて来た。所作が丁寧で綺麗だ。こうゆう方こそがイケオジというのかもしれない。
「おぉ、ユシュ!いらっしゃい!!」
「コーヤ!従業員はどうだい?」
「とっても良く働いてくれているよ!ありがとね、ユシュ。」
ユシュは朗らかに笑い、どういたしましてと言った。
そして、何かを思い出したように続ける。
「そうそう!今日はこの人を紹介したくて!!」
そういって、ユシュはイケオジを前に出す。
彼は少し照れたように俺に会釈する。
「この人は僕の剣の師匠なんだ!」
「お初にお目にかかります。ノアと申します。ユシュがお世話になっているとお聞きして…」
「ノアはね、紅茶が大好きなんだ!!ぜひ、コーヤの紅茶を飲んでほしくて!!」
ユシュは興奮気味に話す。
本当に好きなんだなぁ~。と思いながら、微笑ましく思う。
ユシュの方から視線を移し、ノアさんの方を見る。
「ノアさんはどんな紅茶がお好きでしょうか?」
「私はフレーバーティーも好きですが、一番はアッサムですかね…?アッサムのコク味や、濃厚な香りが落ち着きます。」
「ストレート、ミルクがおすすめですが、どうなさいますか?」
「ストレートをお願いします」
俺は茶葉を取り出し、丁寧に作っていく。
ユシュとノアさんは楽しそうに話しているようだ。
しばらく経ち、紅茶を出す。すると、ノアさんは一瞬驚いたような顔をした。
しかしすぐに元の優しそうな目になる。その長いまつ毛のついた目を少し伏せて、匂いを嗅ぐ。
「…いい匂いだね?」
「あ、ありがとうございます!」
一口飲んでから、何かを確信したように俺の方を見る。
「ねぇ、君は後ろ盾は何か持っているかい?」
「え?いや…?何も」
「…そうか」
「…ノア?どうしたんだい?」
「いや、何。こちらの話さ」
そういって、また飲み始めた。
ユシュとノアさんは他愛のない話をしばらくして、帰っていった。
◇◇◇◇◇
暮れ方、ユシュとノアは帰宅をしていた。
「…ノア、何をする気?」
「…ユシュ様。あの少年の技術は危ない。そう思い、私をあの店に連れて行ったんですよね?」
「さすが!察しがいいね?彼の紅茶には微々たるものだが、魔法である祝福が使われている。」
「しかし、彼自身からは全くと言っていいほど魔力を感じませんでした。」
二人の間にしばしの沈黙が流れる。
そして、ユシュはノアに問う。
「彼の能力がばれたら?」
ノアはその言葉に一瞬固まり、息を詰まらす。
彼は言いづらそうに再度話し始めるだろう。
「魔法塔に連れていかれ、解剖とかされるでしょう。彼らはたまにネジが外れているようですから。」
「…はぁ~、僕はとんでもない人と友達になってしまったらしい。」
ユシュは少し呆れるように笑う。ノアはユシュを心配そうに見る。
すでに大変なことが起こっていることも知らず…
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