14話 OPEN
いらっしゃいませ!
見てくださってありがとうございます!!
ぜひ楽しんでいってください!!✨️
あれから数十日がたち、しっかりとした内装になった。
少しレトロな木製の家具や、観葉植物。充実したキッチンになり使い勝手もいい。
俺はドアのところに下がっているCLOSEの文字を裏返した。
紅茶喫茶・TEATIME 開店です!!
美味しい紅茶を差し上げます!どうぞいらっしゃいませ!
開店してから5時間…。来たお客さんは、いまだ0人だ…。
ご婦人たちは今日、自分のお店が大繁盛のようだし…。ちらっと見る人はいるんだけど、通り過ぎていくし…。今日は誰も来ないかもな…。
半ばあきらめていた時。ドアについているベルが揺れた。
俺が急いで顔を上げると、そこに立っていたのは帽子を深めに被った青年と茶髪の青年だった。
「いらっしゃいませ!!」
「こんにちは!カウンター席二人お願いできますか?」
「はい!どうぞご自由な席へ。」
「すまない。失礼する。」
彼らが選んだのは外から目につかないカウンターの席だった。
帽子を脱いだ青年はみ空色の髪をしていて、とても染めたようには見えなかった。
み空色の青年がこちらを向いて話しかけてくる。
「ここのお店。初めて来たや。」
「えっと、今日オープンしたんです!」
「そうなんだ!紅茶…このファンタジーってやつストレートでくれる?2つ」
「かしこまりました!」
俺はファンタジーの茶葉を開ける。
フワッと香るキャラメルの香りが幸せを包む。
お湯を沸かし沸騰させたら、温めてあったポットに茶葉を入れる。
そしてそのポットの中にお湯を素早く淹れ、マットを引き、蓋をしてティーコジ―をかぶせる。
三分経ったら、スプーンで軽く混ぜ別のポットに最後の一滴まで入れる。
最後に二人のお客様の前でカップに入れて差し上げる。
「お待たせいたしました。」
「へぇ!随分手際がいいんだね!!執事の学校でも行ってたの?」
「いえ。独学です。」
み空色の青年は茶髪の青年が飲んだことを確認してから、紅茶を一口飲んだ。
すると、目を開き輝かせた。
「何これ!?すっごいおいしい!!紅茶は嗜んできたつもりだったけど、こんなにおいしいのは初めて出会ったよ!!」
「そういっていただけて良かったです。」
「ねぇ、名前は?」
「佐藤虎弥です!」
「コーヤ、よろしく!僕のことはユシュとでも呼んでくれ!敬語もいらないよ!」
「ユシュ?よろしく!!」
ユシュは立ち上がり、握手を求めてくる。俺はそれに返す。
元々キラキラとしていたユシュの周りはより一層キラキラを強めた。
なんだ?王子様みたいなキラキラ度だな…?
開店一日目、この店に常連ができた。
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