12話 思い出の紅茶
いらっしゃいませ!
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ぜひ楽しんでいってください!!✨️
「ばぁちゃん!!紅茶入れて!!」
「はいはい。コウちゃんは紅茶が大好きだね?」
「うん!!ばぁちゃんが入れたやつ美味しい!!」
「フフッ。ありがとねぇ。コウちゃん、自分で入れてみるかい?」
「やった~!!僕やる!!」
「じゃあ一緒にやろうね?」
僕はばぁちゃんの隣に踏み台で立って、まずはやり方を見てみていた。
ばぁちゃんは手鍋を用意し、お湯を沸かした。
「コウちゃん、もしかしたらお湯が飛んじゃうかもしれないから、少し離れていて頂戴?」
「ん!!わかった!!」
しばらくすると激しくお湯が沸き、ぼこぼこと言い始めた。
ばぁちゃんは慣れた手つきでお湯を素早く止めたら、茶葉をまんべんなく入れた。
傍に用意していた蓋で鍋を閉じ、タイマーをセットする。
僕はまだかな?とばぁちゃんがお茶菓子としてくれたクッキーをつまみ食いする。
2枚目を食べ終わった後、タイマーがピピピピッ!ト音を鳴らした。
「ぼぁちゃん!!なったよ!!」
「そうだね。じゃあ、茶こしを用意してくれるかい?」
「うん!!」
僕はキッチンの引き出しから茶こしを取り出して、温めてあったポットの上に置いた。
ばぁちゃんはゆっくり、だが素早くポットに入れていった。
手鍋の中が少なくなった時、ばぁちゃんは話し始めた。
「最後の一滴も大切に入れるんだよ。ゴールデンドロップって言ってね?味や香りに影響する大切な一滴なんだよ。」
「へぇ~?たったの一滴なのに?すごいね!!」
「そうだね~。」
ばぁちゃんはポットを持ってキッチンを出て、リビングのテーブルに置いた。
二人で椅子に座って、ばぁちゃんはカップに入れてくれる。
「いただきます!!」
僕は紅茶を飲む。
砂糖は入っていないのに、なぜか甘く感じる。しかし、やっぱり少し苦く感じる。
僕はチョコクッキーを口の中に入れる。
「美味しい!!」
「そうかい。よかったね~?」
そんなやりとりをした数日後。
僕はばぁちゃんの紅茶を二度と飲めなくなってしまった。
「‥‥コウはおばあちゃん子だったもんね。」
「…コウ。お前におばぁちゃんからのお手紙があった。…今読むかい?」
「…ゔん」
静かな部屋に手紙を開ける音と、嗚咽音が響く。
虎弥へ。
コウちゃん。何も言わなくてごめんね。
コウちゃんに紅茶を入れてあげられなくなっちゃったね。
コウちゃんと一緒に飲む紅茶はとってもおいしかったよ。とても大好きだったよ。
紅茶を大好きだったコウちゃんに私の茶器を全部あげるわ。できれば、ずっと紅茶を好きであってほしいの。使わなくてもいいわ。物置にずっと置いておいてもいいわ。
ただ。ずっと持っていて頂戴?
ばぁちゃんの最後の願いよ。
大好きなコウちゃん。今までありがとう。
お空でコウちゃんのことをずっと応援しているわ。
ばぁちゃんより。
僕は目にためていた水滴を滝のように流し、大声で泣いた…。
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