表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界喫茶 TEA TIME  作者: 未来 かえ
開店、そして閉店
12/59

12話 思い出の紅茶

いらっしゃいませ!

見てくださってありがとうございます!!

ぜひ楽しんでいってください!!✨️

「ばぁちゃん!!紅茶入れて!!」


「はいはい。コウちゃんは紅茶が大好きだね?」


「うん!!ばぁちゃんが入れたやつ美味しい!!」


「フフッ。ありがとねぇ。コウちゃん、自分で入れてみるかい?」


「やった~!!僕やる!!」


「じゃあ一緒にやろうね?」


僕はばぁちゃんの隣に踏み台で立って、まずはやり方を見てみていた。

ばぁちゃんは手鍋を用意し、お湯を沸かした。


「コウちゃん、もしかしたらお湯が飛んじゃうかもしれないから、少し離れていて頂戴?」


「ん!!わかった!!」


しばらくすると激しくお湯が沸き、ぼこぼこと言い始めた。

ばぁちゃんは慣れた手つきでお湯を素早く止めたら、茶葉をまんべんなく入れた。

傍に用意していた蓋で鍋を閉じ、タイマーをセットする。


僕はまだかな?とばぁちゃんがお茶菓子としてくれたクッキーをつまみ食いする。

2枚目を食べ終わった後、タイマーがピピピピッ!ト音を鳴らした。


「ぼぁちゃん!!なったよ!!」


「そうだね。じゃあ、茶こしを用意してくれるかい?」


「うん!!」


僕はキッチンの引き出しから茶こしを取り出して、温めてあったポットの上に置いた。

ばぁちゃんはゆっくり、だが素早くポットに入れていった。

手鍋の中が少なくなった時、ばぁちゃんは話し始めた。


「最後の一滴も大切に入れるんだよ。ゴールデンドロップって言ってね?味や香りに影響する大切な一滴なんだよ。」


「へぇ~?たったの一滴なのに?すごいね!!」


「そうだね~。」


ばぁちゃんはポットを持ってキッチンを出て、リビングのテーブルに置いた。

二人で椅子に座って、ばぁちゃんはカップに入れてくれる。


「いただきます!!」


僕は紅茶を飲む。

砂糖は入っていないのに、なぜか甘く感じる。しかし、やっぱり少し苦く感じる。

僕はチョコクッキーを口の中に入れる。


「美味しい!!」


「そうかい。よかったね~?」


そんなやりとりをした数日後。

僕はばぁちゃんの紅茶を二度と飲めなくなってしまった。


「‥‥コウはおばあちゃん子だったもんね。」


「…コウ。お前におばぁちゃんからのお手紙があった。…今読むかい?」


「…ゔん」


静かな部屋に手紙を開ける音と、嗚咽音が響く。



虎弥へ。


コウちゃん。何も言わなくてごめんね。

コウちゃんに紅茶を入れてあげられなくなっちゃったね。

コウちゃんと一緒に飲む紅茶はとってもおいしかったよ。とても大好きだったよ。


紅茶を大好きだったコウちゃんに私の茶器を全部あげるわ。できれば、ずっと紅茶を好きであってほしいの。使わなくてもいいわ。物置にずっと置いておいてもいいわ。

ただ。ずっと持っていて頂戴?


ばぁちゃんの最後の願いよ。

大好きなコウちゃん。今までありがとう。

お空でコウちゃんのことをずっと応援しているわ。


ばぁちゃんより。



僕は目にためていた水滴を滝のように流し、大声で泣いた…。


読んでくださりありがとうございます!


下にある、☆☆☆☆☆を塗っていただけるとありがたいです!


また、感想、ブックマークもよろしくお願いします!


Twitterやっています!

⇒@Mirai_Kae0612

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ