10話 仮開店?
いらっしゃいませ!
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メニューも店の場所も決まり、俺はついに開店することにした。
しかし、この開店はあくまで仮だ。
理由はつい先日メニューが決まった後、グランさんにこう言われたのだ…。
「…それにしても紅茶のカフェねぇ。一度、お試しで開店してから始めたほうがいいんじゃないかい?」
「…えっと?」
「行っちゃ悪いけど…。紅茶って苦いだけの物じゃないか…。お客さんの入り具合を見てから本当にやるのか決めたほうがいいと思うよ…?」
「…そう、ですよね……。」
大好きな紅茶がけなされたようで少し悲しい。しかし、実際ここに長く住んでいるグランさんが言うんだからそうなんだろう。
俺はグランさんの言う通り、仮開店することにした。
それが今日なのだ!!
テーブルやいす、食器などはグランさんが用意してくれた。
もし調子が良かったら、買取という形だ。
俺は緊張しながら「紅茶喫茶 TEATIME」の看板を出しに行った。
お店の前に看板を置くと、近所の奥様が声をかけてきた。
「あらあら!何かお店するの?」
「紅茶喫茶です!」
「あ~…紅茶ね……」
「…一杯だけでも飲んでいきませんか?!無料で!!何人でも連れてきてください!!」
「無料…ねぇ~…。ほんとに何人でもいいの?」
「はい!!」
「ん~わかったわ!また午後に来るわね!」
奥様はそのまま向かい側の店へと戻っていった。
よしっ!とりあえず第一段階クリアだな!!
そして午後になり…誰も来ない。
もう昼過ぎだぞ!? まだ誰も来ないとかあるのか!?
「あっあのぉ~……」
「はい!いらっしゃいませっ!!」
やっと来たぁ!!!来た人は今朝の奥様を含めて4人のお客様だった。
俺が席に案内して、メニューを渡すと、奥様方は怪しむように見た。
一人が言い始めた。
「紅茶ってこんなに種類あるのね…。店員さんのおすすめは…?」
「お客様方。甘いのはお好きですか?」
「大好きよ!!けど、ねぇ…?紅茶でしょ?」
「…ミルクの方は?」
「いつも飲んでるわ!好きよ!!」
「それでは、ミルクティーをご用意いたします。少々お待ちください。」
なんの茶葉にしようか…。そうだ!!ミルクに合うルフナにしよう!
俺はキッチンに入り、棚からティーポットを取り出す。
できるだけ空気を入れながら、水とミルクを鍋に入れ沸騰させる。
その間に茶葉の準備をしよう。
まずはティースプーンを2杯分、耐熱容器にいれ、茶葉をお湯に浸しておく。
こうすることで風味がより抽出されるんだよな~。
沸騰直前に火を止め、浸しておいた茶葉を鍋に入れる。
火はそのまま止めて、なじませるように軽くかき混ぜる。
マットを敷き蓋をして蒸らす。ミルクの風味に負けないように、少し長めに…。
…よし!いい感じだ!
そしたら、温めてたポットに入れて…。
トレイに4人分のカップとポットを乗せて…。完成だ!!
俺は完成したミルクティーを奥様方のほうへ持っていた…。
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