表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最凶の料理人  作者: STKT
2/3

第ニ話 アルトリア大陸

光に包まれ体が浮遊した感覚になり、目を開けると大衆食堂の様な酒場?にいた。状況がわからないから、とりあえず黙っておこう。


「コウちゃん、サヤちゃん。いきなりでごめんね。でも、やっと帰ってきたのよ私達の故郷に。」


すぐに数人の兵士?が現れて、その後応接室に通されて白髪の老人に説明された。


ここは、アルトリア大陸のギルドの酒場兼本部だという事、そして母さん達4人はこの世界の人で15年前に発生した魔力暴走マジックバーストにより日本へ転移し、日本時間でいう30年間、アルトリア大陸では15年間となる。

文化の知らない土地で30年もの間俺達を育てたのだという。

ちなみに、アルトリア大陸では日本の2倍の日数で1年となる。


そういう説明をされた際に思い当たる節があった。30歳の割に俺とサヤの外見が若すぎるのだ。見た目は子供、頭脳は大人……。コ○ン君のような…。


母さん達はかなり名の知れたパーティーだったらしい。彗嵐すいらんの守護者。

又の名をスターストームガーディアンズ、主に彗嵐と言われていたみたい。

前衛は父さんと詩織さん、中衛にアレックスさん、後衛に母さんのバランスの取れたパーティーだったとか。

横を見るとサヤの目がキラキラと憧れるような目をしていてまぶしかった。


魔法がある世界らしく、俺とサヤは転位者となるが元々こちらの世界の住人みたいな感じだという。

俺とサヤは身分証明書を作る為、ギルドカードの作成に。一応、筆記以外の審査をするらしく魔力量と適正と職業を見るらしい。


魔力量を測る際に用いられるのが水晶の球であり、魔力量と適正魔法がわかるらしい。


先にサヤが水晶体に触れた。球は紫色に発光し割れた…。俺の場合は一瞬黒く光り霧散した。

…………。壊れるどころの話しじゃなくて、消えてなくなった。

魔力量に関しては日本での食べ物に起因するらしい。母さん達も元々の魔力量から3倍位に跳ね上がっていたようだ。


魔法に関しては後述でのちのち話そう。

職業適正だが、サヤは居合剣士となり俺は料理人シェフだった。まあ、当たり前かな。こっちに来るまでは料理しかしてなかったしな。


ただ、気になるのが称号も付いてるんだよな。

最凶•••所有者が死ぬまで変わる事はなく、これの他に最強と最狂がある。

日本での料理界で裏の3つ星料理人、又の名を最凶の料理人と言われてたからその影響だろう。


ギルドカード生成後腹が空いていたから飯を食う事になり、酒場に移動した。

酒場の食事は量が多くて、味気がなくて味のバランスも悪くて、マズい飯を食わされる位なら自分で調理した方が早いし上手く出来るから、自分の職業がシェフだと言って厨房の一角を借りた。


食材の見た目は、日本と対して変わってはいなかったが、調味料がほとんどなかった。

胡椒は高価だから使うなとか、塩はサッカーボール大の塊でソレを削って使うという…。

試しに削って1粒舐めたがかなり塩分濃度が高くとてもすぐに使える代物ではなかった為にお湯を沸かしてそこに1粒投入して塩水で使う事にした。

量が多くて味気のない理由が調味料不足で、味を誤魔化す為に量を多くしているらしい。

ギルドの本部であっても、料理はドンマイな部類だった。

とりあえず、腹が膨れるなら何でも良いという事だったから水でジャガイモを洗い芽を取り、お湯塩水の量を半分に減らして茹でる。

残りの半分の塩水は使わなくなった鍋に入れて、強火でひたすら煮る。これで水が沸騰すると、ザラザラの塩が出来る。


なんで、この方法を取らないのかと聞いたら最初はこうやって作っていたそうだが酒場での注文がひっきりなしにくると作る暇がなくなったらしい。


塩茹でしたジャガイモを再びお湯で茹でる。

少しだけ塩分を取る為に。

ジャガイモを茹でて、塩作りをしていた最中に卵を3つほどもらい、卵黄と油を使い簡易的ではあるが、マヨネーズを作成していた。

ただ、撹拌する為の泡立て器がまさかの鉄製で重かった為に父さんに丸投げした。

まぁ、かき混ぜるだけだから怪力野郎に任せた。


そんなこんなで簡単に作った塩茹でイモにお手製マヨで飯変わりとして食べた。


ポテサラ作れるなぁとは思ったものの、今回は作らずに店主に提案してみようと思った。

ポテサラに関しては作り方の手順を教えると店主からはOKサインが出た。

ポテサラが無いとかだいぶ文化的に遅れてるな。


料理に関しては常日頃から思っていた事が時短だ。なんか、いい方法は…。

そうだ!この世界には魔法があるじゃないか!

それで時短出来るのではないだろうか。早速母さんに聞こう、善は急げだ。

「母さん、魔法の事で聞きたい事があるんだけど。」

「まぁ、コウちゃんがやっと魔法に関して母さんに聞いてくれるなんて。」

「他に魔法に詳しそうな人を知らないし、母さんなら何でも知ってそうだし。」

「私もコウちゃんには手取り足取り教えてあげたいのは山々なんだけども、コウちゃんが使える魔法って凄く稀少な魔法で今は使い手がいないのよね。私は空間魔法の適正と四大元素を使えるけども、コウちゃんが水晶に触れた時の色が黒だったからたぶん時属性の魔法だと思うの。時間に干渉出来る魔法で私もよくわかっていないのよ。」

「時間に干渉出来る魔法!それは、願ったり叶ったりで一番必要な魔法だよ。でも、使い方がわからないんじゃ…。うーん。」


さて、どうしたものか。そういえば、母さんは魔法陣を書いて発動してたな。

それならば、これも魔法陣を書いて魔力を込める?注ぐと使えるのでは?

でも、どうやって魔力を操るんだ?

武術の基本の気の練り上げをするようにして、右手に集約させるイメージで……お!意外と簡単に出来たぞ。ただ、ずっとシュルシュルって音がするな。

で、ここからどうすれば良いのか、右手を銃を構える形にして人差し指に集約して、たしか酒場の奥に的があったな、アレに向けて撃つ!


ズドォォォォォン!

凄まじい轟音と共にギルドが半壊した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ