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間話 エベリナ・ブラッディマリーの日記①

短めです!

わたくしは今日という日を決して忘れないわ!


この日は年に一度の紅月……魔王アンブラーは今年こそ紅月の魔力を我が物にするのだと息巻いて祭壇へと向かったの。


わたくし、正直アンブラーにはこれ以上強大になってほしくなかったの。


ただでさえ強すぎるのよ?……強すぎて引くほど……なんせ先代紅魔王陛下を軽々と八つ裂きにしたくらいですもの。


でも……


わたくしを見る目がキモい

あの山羊の頭がキモい

声が大きいのがウザい

毛深いのがムリ

酒癖が悪い


書き出せばキリがないけど、要するに赤の国の象徴には相応しくないと思っていたわ。


ザリオスはちょっと……というかかなり脳筋なところがあるから、あのヤギ頭を武人だとか言って尊敬していたようだけど、あんなものはわたくしに言わせればただの災害よ。


……ちょっと言い過ぎたかしら?

まぁ、もう死んでいるのだから関係ないわ。


とにかく、アンブラーが祭壇に向かったときには気が気じゃ無かったの。


ところが!


紅色の月がちょうど空の真ん中に登った頃、突然の轟音とともに突然あいつの気配が消えたじゃない!


あいつが死ぬなんて想像もできなかったけど、何かあったのは間違いないということで急いでストラスとザリオスとともに祭壇へと向かったのよ。


そしたら……


あいつはまるで隕石でも直撃したみたいに原形を留めずグッチャグチャ……

そしてそこに小さな人族が一匹寝ているという理解不能な状況……


わたくしたち3人はしばらく言葉を失っていたわ。


小人が一匹なんて不敬ね、ダブルムーン様は今の紅魔王陛下なのだから


あくまでも、最初はそう思ってしまったという意味よ?


だって仕方ないでしょ?力を封印されてるなんて思わないもの……


祭壇で封印を解かれたときにはまだ微弱だったけど、確かに魔王覇気を感じたわ。


ということは伝説の通り、あの御方がアンブラーを倒したというわけで、あの御方こそが新たな紅魔王!


魔王というのは皆、横柄な態度を取るのかと思っていけどあの御方は違ったわ。


丁寧だし、物腰も柔らか。それにちょっと人見知りなのかしら?わたくし達に対してずっと緊張しているご様子だったけど……そういうところがあのF●ckin'ヤギ野郎とは雲泥の差よ!


お仕えするならこんな魔王様が良い、と思うでしょ?


きっとストラスもそう思ったのね。わたくし達は全力でそれまでの無礼をお詫びして許しを請うたわ。


それなのにザリオスのF●ckin'脳筋バカったら……

何が「我が従うは強者のみ!」よ!

こっちの面目丸つぶれだっての!

その上何を血迷ったのかダブルムーン様に全力で攻撃を仕掛けるなんて……


でも、さらに驚いたのはその後!


ザリオスの一撃を無傷で正面から受けきるなんて、目を疑ったわ!


ザリオスは戦闘能力の高さだけならわたくしやストラスよりも間違いなく高いのよ?


本物だと思ったわ。そして、その時わたくしは一切の世辞抜きに身も心もすべてこの御方に捧げようと心に誓ったわ。


だからその後あの御方がふらりと何処かへ行きそうになったとき、はしたないと分かっていたけど女の武器を使ってここまでお連れしたし、その後だって……


嗚呼……ふしだらな女と思われたかしら?


いえ、まんざらでもなさそうな御顔だったわよね?でも……せっかくお部屋で二人きりになっても全くそういう素振りをお見せにならなかったし……


もしかして全く魅力を感じて下さらなかったのかしら!? 


極めつけはあの御方の本気の覇気の凄まじさ……今思い出しても身体が火照るの。


今こうして日記を書いている最中だって何度も何度も……首元にナイフを突きつけられながら身体の内側を思い切り突かれているような……危険で、でも愛おしい感覚にわたくしはもうどうにかなってしまいそう……


このままじゃ……ダメ。今日は頭を冷やしてもう休むことにするわ。

あぁ……明日からが楽しみで仕方ないわ。

わたくしも今まで以上に自分を磨いて、陛下に認めていただけるように励まなくては!



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