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変わらない日々

繰り返される変わらない日々。僕は何のために生きているのだろうか。どこかに置いてきてしまった、大切なこと。あれは、なんだったのだろうか…。

無味乾燥とした毎日。鉛色の空をぼんやり眺める。



今日も僕はビジネスバッグを肩から下げて、俯く人達で溢れた満員電車に揺られていた。



毎日変わらない。変化がない。

ループしているのではと錯覚するほどに。

決まった時間に仕事を始め、退勤し、帰宅して寝る。



そしてこれは僕に限った話ではない。



幸せかもしれない。幸せでないのかもしれない。

わからない。敷かれたレールを走る電車のように。



自分は今、幸せなのだろうか。




「はぁ…。」


「どうした?ため息なんてついて。」


「お前はいつも楽しそうだな。」


「そうか?まぁ、楽しいよ!」




あいつは得意げに口元に笑みを浮かべ、ハンカチで手を拭くと先に出て行った。



「ふぅ…。」


僕も後に続いた。




毎日毎日変わらない。灰色の日々。


それでも季節は移り変わってゆき、気付けば金木犀の香りがしていた。(と言っても、あいつに言われて気付いたんだがな。)




(寒い、早く帰ろう)




定時になり退勤すると、コートを羽織り、僕は体を丸めながら早足で駅に向かっていた。


「おい!」


その声…。




振り向くと、体の周りに花が舞っているのかと思うくらいキラキラの笑顔で僕を見つめていた。



「おお、お前か。どうした?」


「いいもの手に入れたんだ。このチケット、お前にやるよ。」



そういって1枚のチケットを渡された。

どこの国の、いやいつの時代のものだろうか。

全く読めない。




「これは…」

「じゃ!また!」




尋ねようとする僕を遮り、

お構いなくスキップして去って行った。



変なやつ。



(もらっとくか)




僕はバッグにしまうと、再び駅に向かって歩き出した。


(このチケットは、一体なんだろう)


帰宅し、眠りにつく僕を待ち受けていたのは…,

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