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1日目~夜~PART2

「私のアプリ?見たいならどうぞ?

どういう使い方するかよく分からないし。」


桜井さんのスマホを開いてアプリを起動させる。


「何々?カウント30?

ランクB…効果は

30秒間すべての機器を使用不可にする?

効果範囲は半径300m

再使用には30分を要する。

また使用中は特殊部隊の

対象とならなくなる。」


すべての機器を止める事ができる?

それって…


「自分がどうなるんではなくて、

周りをどうにか出来るものらしいんだけど

今のところどう使えばいいか分からないの。」


確かに普通には使えないだろう。

ただしある特定な状況では、最強のツールと

なる可能性を秘めている。


「これ俺が使ってほしいって時に

使ってもらいたいんだけど…いいかな?」


「わかったわ。山上君に任せるね。」


すっかり信用されてるけど…

この人、大丈夫かな?

あまりにお人よしでは…


そういえば俺のスマホにない機能

「MAP」って何だろう?


「このMAPってどういう機能なの?」


「えっと、島の大まかな形と

自分のベースキャンプと

中央管理センターの場所が分かるみたい。

あとは自分のIDがある場所だけかな?」


なるほど。千里眼の機能限定版か。

確かにベースキャンプの場所と

中央センターの場所が分からないと

迷子になったらおしまいだもんな。

詳しく聞いたところ

IDの位置はリアルタイムでないので

あまり当てにならないらしい。



「さてと…長居しちゃったね。」



俺がいきなり立ち上がったので

桜井さんは不思議そうな表情でこちらを見る。


「えっと、そろそろ戻らないと

戻るの真夜中になるから

詳しい話はまた明日。

じゃ、開けてもらえる?」


桜井さんは驚いた顔で

こちらに駆け寄ってくる。


「私を1人にしないで!!お願い一緒にいて!」

桜井さんは腕を掴んでくる。


うーん、どうしようか。


例えば、これが全部芝居で、

IDカードを奪うために

色仕掛けをしてくる可能性

だってあり得るわけで…


「じゃあ今日は泊めてもらうけど、

あのさあ、一応俺も男だよ?」


最初キョトンとした顔をしていた

桜井さんだが、意味がわかったらしく、

顔を真っ赤にしてブンブン手を前で振る。


「ち、違うの!そういう意味で

言ったわけじゃないの!」


「ま、大丈夫ですよ。

今はそんな余裕ないですから。

せっかくの相棒を一時の快楽で

失っては意味がないんで。」


俺が笑顔でそう答えると

少し落ち着いたのかその場に座り込む。


「あ、ありがとう山上君。」


この人…なんていうか色々と

ほっとけないタイプの人だな。


「まあ、とはいえさすがに

同じベットで寝るわけには

いかないんで…」


さすがに一緒に寝るのは

理性が持たない…。


「そ、そっか。あ、

私のベッド使っていいよ。」


しかし、そうなったら

彼女が床に寝る事になる。

しかもシーツ一枚で。


「俺が床で寝るよ。シーツを頂戴。」


俺がシーツを受け取ろうとすると

なぜかシーツを渡してくれない。


「そ、それは駄目です!

私が床に寝ますから!!」


「いやいや、女の人を床に寝かせるなんて

男がしていいことじゃないですよ。」


「でも、残ってといったのは私だし。」


「でも、俺はあなたが床に寝ることは

見過ごせませんので。」


などという押し問答が

しばらく続いていたが…


「あのね、何もしないなら、

その、ベッド一緒に使いませんか?」


「え?でも、一応俺、男な訳で!?

まずいっていうか…」


「山上君を信じるから、大丈夫だよね?

それに、床で寝たら風邪ひいちゃいますよ。」


ううん…これってどうなんだ?



結局、一緒のベッドに

寝る事になってしまった。


実際隣にいる桜井さんが顔を

赤らめてこっちを見ている状況を

目の前にするとドキドキが

止まらなくなる。


「…変な事しないでね?」


「しないつもりですけど。

して欲しいですか?」


俺がそう言うと耳まで

真っ赤にして俯く。


可愛い人だなあ…。


などとクールな事を言ってるが、

しょせんは高校生。しかも今まで

こんなシチュエーションは

あり得ない環境だったし…


さすがに顔を見合わせたままでは

まともに寝れないので

お互い背中合わせで寝る。


しばらくすると桜井さんの

寝息が聞こえてくる。


なんだかんだいっても

色々あった日だし

彼女も相当疲れてたんだろう。


寝返りをするふりをして、

桜井さんの方に向き直る。

いつの間にか彼女も

こちらを向いて寝ていた。


改めて近くで見ると…

かなりの美人だと再認識する。


俺が眠れず悶々としてたのは

言うまでもなかった…。



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