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13日目~朝~

あれから3日が過ぎ、現在は歩美のベースキャンプに

引越しが終わった所であった。


他のプレイヤーも今の所は何とか生き延びている。


水野さんは2つのベースを上手く利用している。


他のプレイヤーは木下と西川はどうやら

2人で行動しているようだ。


残りのプレイヤーは上手く捕獲部隊から逃れている。


明日の朝には増援の捕獲部隊がやってくる。

今まで通りには行かない。


それでも夜9時で待機になるのが

プレイヤーの救いではあった。


夜中の0時に3人のスマホが一斉に鳴り始める。


「なんだ!?明日の増援の説明のメールか?」


3人でスマホを見て、そしてその内容に愕然とする。


メールは本部からだった。


『ルール追加のお知らせ。本日0:00より、

この島に10名の敗者復活のプレイヤーを放ちます。

彼らは前回、前々回に捕獲部隊に捕縛され、罰金を払えず

強制労働をしていた者です。彼らはIDを持っておらず、

スマホのみが与えられています。彼らの扱いはこの時点では

プレイヤーではありません。よって捕獲部隊は彼らを

捕獲せず放置しています。彼らは現在IDを持っている

プレイヤーからIDを奪いとる権利があります。

彼らにIDを取られたプレイヤーは失格扱いとなり

データを全て抹消されます。

その時点でIDを奪ったプレイヤーがゲームに復帰

する事になります。


また、復帰したプレイヤーが失格したプレイヤーを

どうするかはプレイヤーに一任されます。

失格したプレイヤーが捕獲部隊に捕まった場合

違約金は5000万となりますのでご注意を。』


「嘘だろ…捕獲部隊の他にIDを

奪い合う相手が増えるのかよ…。」


こうなると安易に外には出る事が難しくなる。


「IDの奪い合いだなんて…」


裕美さんも渋い顔でスマホを凝視している。


「失格したプレイヤーは奪われたプレイヤーの

好きにされる…嫌…。」


杉田が身体を小さくする。女性はIDだけ

ではなく身の危険も充分考えられる。

俺はアプリを開くが…


「やっぱり、その10人はこの【千里眼】でも

見る事は出来ない…【真実の書】は!?」


アプリを開けると内容が変わっていた。


今までと違い、いなくなったプレイヤーの名前が

消え、生き延びている9人の名前の後に10人分の

『???』が表示されている。


「なるほど、IDを奪ったらここに名前が出るわけか…。」


しかし…複数持っている俺は奪われたらどうなるんだ?


「IDを複数もっていたら失格にならないのかな?

もしそうなら、3人でIDを分けた方が安全じゃないか?」


俺の意見に裕美さんも同意してくれるが


「でも、奪われたら全没収って可能性もあるわよね?」


と裕美さんは考え込む。


「そうだ…私のアプリで調べてみる?」


杉田がスマホを取り出す。


「杉田のアプリ…?どんな能力なんだ?」


「1日3回まで本部に質問を1つ書いて

メールするとその質問の回答がメールで

返信されてくるんだって。使った事ないんだけどね…。」


俗にいうQ&Aってやつか。


「じゃあ、杉田。IDを複数持っている場合

敗者復活のプレイヤーにIDを奪われたら

どうなりますか?って送ってみてくれる?」


アプリを始めて活躍できるのが嬉しいのか、

杉田は嬉しそうにメールを打ち始める。


「麻美ちゃんいいじゃん!私なんてアプリ空っぽだよ?

あの須藤に奪われちゃったからさ~!あ~ムカツク。」


そのアプリ、俺が持ってるかもしれないよな…。

まあ、もし余裕あるならアプリを1つ位あげよう。



5分程で本部からメールが返信されてくる。


「杉田、なんて回答が来た?」


「えっと、『そのようなケースでは、奪ったプレイヤーに

選択権があります。1枚でも残っていた場合失格とならず

ゲームに残る事が出来ます。』

って書いてあるよ。」


成る程…でも、復活プレイヤーは借金を背負ってる

わけだし1枚でOKとは言うと思えない全部

奪われると思っていいな。


「杉田ありがとな。そういう事なら3枚ずつ

2人に持ってて欲しい。もしかしたら生き延びられる

可能性もあるし。」


杉田は驚いた顔でこっちを見ている。


「ID3枚も!!山上くんに悪いよ!これは貰えないよ。」


裕美さんも困った顔で俺のほうを見ている。


「3枚…生き延びたら9億だよ?そんな簡単に

手放せれるものじゃないよ?私が裏切って逃げるかもよ?」


「裏切られたら、それは仕方ないです。それに今

この状況を生き延びる…そっちが先決ですから。」


2人は悩みながらもIDを受け取ってくれる。


「それと、杉田もう1つメールで聞いて欲しい事

があるんだけどいいか?」


杉田は嬉しそうに俺に微笑んでくる。


「山上くんが必要なら全然いいよ!何々!!」


「敗者復活プレイヤーはアプリを所持してるのか?

って書いてもらえるか?」


「うん。…アプリを…してるんですか…?

山上くん、送信したよ。」


「ありがとな。」


彼らもアプリは所持している。という事は

何かしらのツールを手にしている可能性もある。


5分後、返信メールが届く。


「来たよ、えっとね…嘘…こんなのを持ってるの?」


杉田が顔を真っ青にしている。


「ちょっと見せて貰えるか?何々…これは…。」


メールの内容は以下の通り


『敗者復活プレイヤー10名は全員同じアプリを

所持しています。【セキュリティ無効】1度だけ

ベースキャンプのセキュリティを無効にする。

無効にされたベースキャンプは24時間の間、

セキュリティが復活しない。


またこのアプリは使い捨てで使用した場合、

スマホから自動的に消去される。

プレイヤー立て篭もりに対する最終手段です。』


俺が恐れていた製作者のループ対応策がこれか…。

しかもこの10人は何処にいるかわからない…

今までアプリである程度情報を得ていた俺には

わからないという事は恐怖以外の何物でもない。


これからはより慎重に動かないと駄目だ。


「今のアプリでは、10人のプレイヤーは

位置を把握する事は出来ない。逆に考えれば、

彼等…まあ、女性もいるかもしれないが…

も、こちらの位置を把握出来ない訳だ。」


裕美さんが何か思いついたのかいきなり立ち上がる。


「なら、先に敗者復活プレイヤーを仲間に

引き込めば生き残りの可能性も増えるんじゃない?」


確かに良い意見だが…


「過去のこのゲームを知ってる人達が簡単に

仲間になるかな?それに恐らく一般人では

ないから杉田や、裕美さんの身の危険が高くなるよ。

なら、まだ今回のプレイヤーを引き込んだ方が賢明だよ。」


色々話し合いの結果、明日は引きこもり、

状況を静観する事にした。

そして、今の状況を考えると、敗者復活プレイヤー

は中央管理センターに群がって来るに違いない。


プレイヤーにとっては正にここが生命線だ。

何枚持ってようと更新を行わなければただのカードである。


「とはいえ、更新だけはなんとも出来ないから、

明後日からの対策を明日考えておかなきゃな。」


敗者復活プレイヤーも一度しか使えないアプリを

ベースキャンプを見つけたからといって

すぐに使用するとは考えにくい。そのベースキャンプを

張るか、中央管理センターから後をつけ特定してから

アプリでセキュリティを解いてくるだろう。


明日は何もしないで待機。考えてみれば、この島にきて

初めて何もしない(考える事は一杯あるが…)

で身体を休ませる事が出来る。


「明日は何してるかな?2人はいつも何してる?」


何気なく2人に話題を振る


「料理の練習と、悠斗君にムグググ…」


「裕美さん!!!」


裕美さんが何か言おうとしていたのを杉田が

無理やり口を押さえている。


「なに?今俺の名前出てなかった?」


俺が杉田に聞きなおすが杉田は顔を真っ赤にして


「なんでもない!なんでもないからね!!」


と言って2人で寝室に戻ってしまった。


「なんだ?まあいいや…たまには昼過ぎまで

ゆっくり休んでおくか~。」


俺はベットに横になる。普段の疲れもあったのか

俺はすぐに深い眠りに落ちたのであった…。



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