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9日目~朝~

すっかり日も昇り、俺は中央管理センター前に

やってきていた。体力的にもかなりキツイ。

この歩道の選択を誤れば体力が尽きて捕まるだろう。


中央管理センターから一番近く、かつ共有化した

IDのベースキャンプを発見できなければ…


俺は目の前の3つに別れた土が剥き出しの歩道を

じっくり見つめる。とはいえあまり時間がない。


捕獲部隊はアラーム範囲内にプレイヤーがいる限り

追いかける事を辞めないようだ。


3つの道をじっくり見る。

よし…この道だ。俺は北に向かって走り始める。

く…4部隊全部が集まって来ている…。

全部隊で捕獲に来るか!!


確かに動いているのは俺と杉田2人だけだし、

恰好の獲物なんだろう。


だけど捕まるわけにはいかない…!


たのむ…・ベースキャンプあってくれ!

祈るような気持ちで走りつづける。


心臓はバクバク、足も又痛み始めている。

だけど止まることは出来ない!


俺の願いが天に通じたのか、

10分もするとベースキャンプを発見する。


問題はIDを受け付けるかどうかだ。

まあ…カウント30を使えばとりあえず入ること

は出来るから、そこまで問題ではないな。


IDを通すとあっさりドアが開く。


「よし!助かった!!」


数分後、4部隊に囲まれる。あぶねえ…

ギリギリ間に合ったぜ…。


「…だれ?」


不意に背後から声が聞こえる。誰かいるとは

思っていなかったので心臓が止まるかと思った。


「人がいる!?」


俺はアプリを開く。やはりここにIDは無い。


ベットの方を見ると、女性が横たわっている。


「…貴方は須藤の手先?」


須藤!?あのIDを集めて他の

プレイヤーを殺して独占しようとしていた、

あの須藤のことか?


「違いますよ、俺は山上 悠斗。

捕獲部隊から逃れるためにここに

逃げ込んできただけです。」


「捕獲部隊…そう、もう7日経ったの。」


よく見るとかなりやつれている。


「あの…大丈夫ですか?」


俺が近づこうとすると


「ねえ、何か食べ物…あるかしら?」


確か非常食を持っていたはずだな…。あった。


「非常食でいいなら…」


「お礼は何でもするから…その非常食

分けてもらえない?ねえ…お願い…。」


非常食を手渡すと、女性は飛びついて食べ始める。


よほどお腹が空いてたのだろう

しばらく様子を見る事にした。


そしてしばらくして落ち着いたのか

今の状況を話してくれる。


「私の名前は野田裕美(のだ ゆみ)。須藤に騙されてIDを奪われ

閉じ込められたのよ。食料は3日分須藤が

置いていったから今まで生きてこれたけど、

それも尽きて、どうしようと思ってたら君が来たの。」


野田裕美…

多分このカードだったな。


「そういうことならこのカードは後でお返しします。

ただ、今は共有化しているのでどうしたらいいかな…?」


「あの…君は1人なの?」


「いえ、同級生の子が1人パートナーにいますけど。」


「そっか…。なら、私も

仲間に加えてくれないかしら?」


「仲間…ちょっとそれは杉田…あ、

パートナーの名前ですけど彼女に確認してみないと。」


野田さんは俺の手を引っ張り俺の胸に顔をうずめてくる。


「私一人じゃ生き延びれないお願い…寂しいの。」


そしてそのまま顔に両手を添えて濃厚なキスをしてくる。


「ん!?んん!!」


歩美としたキスとは違う、濃厚なキスに

何も考えられなくなる。


「ふふ…可愛い。何でもするって

言ったものね…さあ、2人で快楽に溺れて

気持ち良くなりましょう。」


野田さんは上着を脱いで下着の状態になっている。


「ちょ・・ちょっと…ま、まってください…。」


野田さんの手はとても魅惑的で妖艶な動きで

俺の上着を脱がせてくる。


や…ヤバイ。俺は…


もう…このまま身体を

ゆだねてもいいかな…?


目を閉じて、理性の拘束を解き放とうとしたその時


歩美の悲しそうな笑顔が頭に浮かんでくる。


「!!!!」


俺は必死に野田さんを抑える。


「な…なに?」


「止めて下さい。今はそんな事をしている

暇はないんです。」


野田さんは驚いている。


「私とHはしたくないの?」


「…すみません。体力の温存も必要ですし、俺には…。」


そこまで言うと野田さんはクスッと笑い、上着を着る。


「私のテクニックで落ちない男がいるとはね…。

君、気に入ったわ。悠斗君だったわね?」


「は、はい。」


「改めてお願いしたいわ。私も貴方達の仲間に入れて。」


流石に罠ではないとは思うが、ここで安易に

答えていいかどうか悩むが自分だけでは答えを出せず…



結局、杉田がベースキャンプに到着したのを

確認した後、杉田に電話をして野田さんも

仲間に加える旨を伝え、了承をえる。


「仲間のOK出ました。では、改めてよろしく

お願いしますね、野田さん。」


「あら、悠斗君、裕美って呼び捨てでいいのに♪

それと、いつでも今日の続きはOKだからね、

我慢できなくなったらお姉さんに言いなさいよ?」


「え…あの、いや…。」


「これでも私は夜のお仕事のプロなんだから…ね?」


ううう…俺、理性が持つかな?


2時間の間に色々話をしたが意外としっかりした

考えの女性で、笑顔がとても魅力的に見える。


歩美や杉田とはまた違う女性のタイプだな…。


2時間後…捕獲部隊は諦めたらしく散開して

それぞれ索敵巡回行動に移ったようだ。


しかし念には念を入れ、夜の9時まで

このベースキャンプで隠れているべきだろう。


3人…出来ればあと数人集め、

役割分担が出来るようになれば生き延びられる

気がするが、アプリ【一斉送信】だと

あの佐藤敏彦にも知らせてしまう事になる。


難しいな…こういう事なら水野さんと連絡手段を

取っておくべきだったな。


というか…男の力も借りたいのだけど…


あの佐藤以外だと小学生、老人以外に多分3人

その内の最低1人と協力体制が取れないだろうか?


とりあえず今の現状を整理するためにも

まずは杉田と合流しないと…。

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