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7日目~昼~

いつ眠ってしまったのか、気がつけば

既に朝になっていた。

野宿をしてしまったようだ。


そこで俺は異変に気がつく。


歩美の遺体が無くなっている


水野さんが言っていた

特殊部隊が俺の隙をついて

回収していったのか!


まるで何もなかったかのように

血溜まりも土をかぶせ処理されている。


俺の手元に残されたのは

彼女のIDと携帯だけ…。


俺は心に決めた。


必ずこの島を無事に脱出し歩美の親父を

探し出し、ぶん殴ってやる!


決意を固めた俺は、まず、

中央管理センターに向かう事にした。


このIDを全部共有化しないと

面倒な事になる。


俺は立ち上がり、中央管理センターに

向かおうとした。


…その時。


携帯のバイブ機能が2個とも

同時に動き始める。


「なんだ!?」


よくみるとメール受信になっているらしい。

あて先は…本部!?

2つの携帯には同じ物が送られてきている。


内容は…


『本日12:00より特殊捕獲部隊が

島に上陸いたします。


これに対してプレイヤーは部隊の接近を

知らせるアラーム機能が利用可能になります。


また、ルール変更がありますので、内容を

しっかりと把握しておいてください。


ルール変更1:

部隊はベースキャンプに近づけないと

なっていたがプレイヤーが連続2日以上

同じベースキャンプに立て篭もった場合、

特殊部隊はそのベースキャンプを制圧

することが出来る。

この際、セキュリティーは一切無効となる。



ルール変更2:

ベースキャンプに逃げ込んで3時間経てば

対象から外れると明記したが、


部隊に対して抵抗を試みた場合、

対象から外れる事はなくなり、

部隊長の判断に一存される。


ルール2の処理によりルール1の連続2日

以上対象となることがあります。


なお、ルール改定がある場合

本部メールにてお知らせいたします。』


なんだ!!抵抗した場合隠れても

駄目だってことなのかよ!!


アラーム機能は…


半径1Km内に部隊長が接近した場合、

アラーム用のバイブが距離により鳴り出す。


1Kmの距離だと1分おきに

数秒のバイブレーションが


750mまで接近すると30秒おきに

数秒のバイブレーションが


500mまで接近すると

10秒おきにバイブレーションが


300mまで接近すると

バイブレーションが止まらなくなります。


部隊の近づいている方向などは

アラーム機能では察知できません。


皆様お持ちのアプリを上手くご利用ください。

皆様の幸運を祈っております。

本部アプリ開発局』


これも企業の試作品かよ。

見てやがれ、俺は絶対捕まらないからな!!

俺はスマホで時間を確認する。

時間は10時を過ぎたくらいだ。

走っていけば12時前には

中央管理センターにたどり着く。

しかし長居は出来ない。

中に入った状態で発見されれば

逃げようがなくなる。

まずは食料や必要なものを

手に入れておかないと。

それに貰ったアプリの内容を確認していない。

することは山のようにある。


捕獲部隊の正体も見えない今は

準備に動くしかない。

俺は中央管理センターを目指して走り始めた…。


全力疾走で駆け抜けたので

予想よりも早く中央管理センターに

たどり着く。思ったほど足の怪我は

ひどくないみたいだが今は興奮状態で

痛みどころではないのかもしれない。


そして全10枚あるIDの共有化を始める。

今ここに10枚あるということは、

少なくても9人はゲームから離脱

してしまったと言うことなんだろう。


その1人が歩美だという事実は

考えないようにして別なことを考える。


9人は離脱、水野さんがIDを

2枚所持している。実質今この島にいる

プレイヤーは10人そして、

俺と水野さんを抜かせば8人がまだ

顔も知らないプレイヤーと言うことだ。


杉田は…このIDの中に

含まれているのだろうか?

それともまだ生きているのだろうか…?


まずはIDのポイントを一つに

まとめ上げて買えるものはある程度

まとめ買いをする。


あとは裏サイトのアイテムも

数点購入しておく。


12時前には中央管理センターを脱出し、

歩美と俺がいたベースキャンプに戻る。


荷物が多いのでかなり時間が掛かったが、

上陸した捕獲部隊と鉢合わせする事無く、

無事にベースキャンプにたどり着く。


一息ついたところで、まずは【千里眼】で

状況を確認する。


捕獲部隊は全部で4部隊、東西南北から

それぞれ上陸してきたらしい。

他のプレイヤーたちもベースキャンプで

様子見をしているらしく、

誰も動こうとはしない。


まあ、賢明な判断だと思う。

俺と違い、他のプレイヤーは

アラーム機能しかないのだから

うかつに動けない。


状況が理解できたところでいよいよ

Sランクのアプリ【真実の書】を起動させる。


起動画面の後、20名の名前がずらりと

並んだ画面が出てくる。半分の人の字が

黒くなっている。


歩美の名前も黒いと言うことは黒の字は

死んだ人間、もしくは行方がわからなくなった

人間を指しているのだろう。


今生きている人間を確認していこう。


まずは俺、山上悠斗

17歳、所持アプリ

【千里眼】ランクA

【真実の書】ランクS

【機能拡大】ランクC

【カウント30】ランクB

【一斉転送】ランクB


現状 生存

現状所持ID10枚(共有9枚)


…ここまで詳しくわかるのか。


これはかなり有益なアプリだ


これなら、杉田が

生きているか確認できる。


次は、水野さんか。


水野 愛

26歳 所持アプリ

【探査密偵】ランクC

【動画録画】ランクC

【白紙の地図】ランクA

【スマホカメラ】ランクE

【レコーダー】ランクE


状況 生存

所持ID 2枚(共有1枚) 


成る程、ランクAのアプリと1つ

ランクEの2つを

水野さんが持って行った訳か。


さて、次は…


杉田 麻美

16歳 所持アプリ

【アンサー3】ランクD


状況 生存

所持ID 1枚


杉田は生きてるみたいだな。


後の人たちは…確認してみるか。

次の人物を選択してみる。


木下 こずえ

22歳 所持アプリ

【チェンジャー】ランクC


状態 生存

所持ID 1枚


この人も何とか生きて

いるみたいだな。


女性も意外と頑張れる

みたいなんだな。


こういう状況は逆に

女性の方が冷静なのか?


次は…


西川 純

22歳 所持アプリ

【望遠鏡】ランクD


状態 生存

所持ID 1枚


純…?男だろうか

女だろうか?たぶん男

だとは思うけどわからないな。


山田 引蔵

62歳 所持アプリ

【通信販売】ランクC


状態 生存

所持ID 1枚


62歳!!こんな人も

参加しているんだ…。


他の人物は…

佐藤 敏彦

27歳 所持アプリ

【ギャンブルタイム】

ランクE


状態 生存

所持ID 1枚


どんな人なんだろうな。

流石に名前だけじゃ分からない。


大谷 秋男

24歳 所持アプリ

【妨害電波】ランクE


状態 生存

所持ID 1枚


妨害電波か…何か厄介そうな

アプリみたいだな。


武田 勝也

12歳 所持アプリ

【システムハッカー】

ランクC


状態 生存

所持ID 1枚



小学生もいるのかよ!

信じられねえ…


工藤 雅章 

20歳 所持アプリ

【スキャニング】ランクD

状態 生存

所持ID 1枚


わりと歳が近いから、うまく

話を出来ないだろうか?



野田 裕美

21歳 所持アプリ

【なし】


状態 生存

所持ID 0枚 


意外と女性が多いけど、

何か意図があるのかな?


しかし…生存してるけど

何ももっていないって…


須藤に奪われたのか?

この10枚のIDの中に

この女性のがあるの

かもしれない。


真実の書といえど、

その人物の性格とかが

判るわけではないし

うかつに接触するわけには

いかないよな…


だけど、杉田とは連絡を

取りたいし、何かいい方法は

ないかな…?


しばらく考えていたが、いい案がでる

わけでもなく他のアプリを調べて

みてから考えよう。


一斉送信は他のプレイヤー全員に

メールを一方的に送り付ける事が

可能な、アプリだ。

一見使え無さそうだが、

相手のアドレスを知らなくても

送信出来ること、

悪意のある使い方をするなら、

捕獲部隊に近づいている

プレイヤーにわざと送信

メール着信音で捕獲部隊に

発見してもらい人数調整

なんて使い方もある…。


【物価変動】は、七割の確率で

中央管理センターの買い物が半額

三割で倍額になる、不確定要素

が強いアプリだ。


まあ、24時間で再起動

出来るから悪くはないと思う。


ただ、既に買い物を

済ませてしまったので、

今はまだ必要ないかな?


【機能拡大】は同時に複数のアプリを

使用できる拡張機能のようだ。

単体では番号登録が倍になるだけの、

あまり役に立たないアプリみたいだな。


複数のアプリをもって初めて

役に立つのだろう…。

試しに起動してみるか。


【機能拡大】を起動すると、

『このアプリにより、他のアプリを

最大3つまで起動する事が出来ます。

バッテリーの消費量に注意して下さい。』


と、注意書きが出てくる。


そうだよな。複数のアプリを使えば

バッテリーが大量に消費されるのは

当然といえば当然だよな。


試しに【真実の書】と【千里眼】を

同時に起動して、どうなるか確認してみるか。


同時に起動してみると…


「これは!?」


驚いた俺は1人で大声を出してしまっていた。


なんと、千里眼の機能と、真実の書の機能が

融合して使用できるではないか!?

そう、これにより、IDの位置表示の部分に

プレイヤーの名前が表示されて、誰が

何処にいるのか、一目瞭然なのだ…。


杉田の場所をこれで把握出来る!どうやら、

彼女は最西端のベースキャンプにいるようだ。


だが、その近くに捕獲部隊がうろついている。

流石に今は近付けない…。部隊が

後5キロ位離れたら、行動してみよう。


カードは二枚あれば大丈夫だろう。


後はこのベースキャンプに隠しておこう。


スマホも今の内に充電しておかないとな…。

時間迄に出来ることは全部しておけば、

いざという時困らないはずだ。


杉田のベースキャンプから捕獲部隊が

離れたのは、既に日も落ちようとする

時間だった。だが、早いうちに

会っておかなければ、連絡が

つかなくなる可能性もある。夜になるのを

覚悟して、俺はベースキャンプを後にした。

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