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第36話 煉獄の檻ガランザラス#3

この度、フォロー関係者様にはTwitterの方で大変迷惑かけて申し訳ありません。

説明の方をさせて頂くと、原因がわからない突然のアカウントロックが起こり、パニックで認証コードの失敗を度々起こした故に、未だアカウントはロックされたままなのです。

どれほどかかるか分かりませんが、Twitterが復活したらもう一度、謝罪をしたいと思います。


特に関係ない方はこのまま流してくれて構わないです。あー、胃に来る。腹が気持ち悪い。

 それからというものクラウン達は再び壁やら床やらを破壊しながら突き進んでいった。その動機は単純でもう二度とあんな風にやり直したくないからだ。


あれほどストレスが溜まるものがないし、何しろ無駄に戦闘が多くてさすがに疲れる。レベルもある程度上がるとそこから止まったし。


 だから、クラウン達はさっさと下の階層へと突き進む。クラウンの行動にもう兵長も止めることはなかった。


 ある程度下の階層に進むと最下層が近づいているのか巨大な気配を探知した。その気配にクラウンは笑みを浮かべながら次々と破壊していく。


 そして、ある場所を破壊すると巨大すぎる円柱状の空間に出た。


 その円は少なくとも直径で200メートルぐらいあるだろう。そこの中心に<天翔>を使いながら歩いていき、その下にある気配を見た。


 すると、そこにはまだかなり距離があるであろうにもかかわらず、巨大な獅子が口を開けて、クラウンを見据えていた。


「!」


「クラウン!?」


 その獅子と目が合った瞬間、その獅子は口から極光を放射した。その光は易々とクラウンを飲み込んでいき天井へと直撃し、轟音を響かせる。その光景を見たリリスは思わず叫ぶ。


「安心しろ、生きている」


 その極光が収まるとリリス達と反対側の壁をぶち壊して避難していたクラウンの姿があった。リリス達はそのことに安堵した。


 だが、逆に言えばダメージ上等、特攻上等のクラウンが避けるという事はアレを食らえばひとたまりもないという事は確かだ。


 ......というかここはまだ最下層ではないはず。なのになぜ最下層のボスであろう獅子と戦うことになっているのか。


 それについては考えると頭が痛くなってくるが、こうなってしまった以上仕方がないということであろう。


「お前ら、今すぐ散れ」


「「「「!!!」」」」


 クラウンがそう言った瞬間、その獅子は爪を立て壁をよじ登ってきた。そして、リリス達にその大きな肉球で押し潰す。


 だが、その攻撃を間一髪で逃れたリリス達はクラウンに言われた通り、飛べないリリスはベルに抱っこされながら、兵長はロキの背に跨りながら散り散りに離れていく。


すると、クラウンはそくから抜刀しながら獅子の首に向かって切りかかる。


「がはっ!」


 だが、その獅子はしがみついた壁から巨大な体躯を宙返りさせながら、その攻撃を避けるとクラウンに突貫し頭突きした。


 それをガードしながらもダイレクトに受けたクラウンは最下層の床へと叩きつけられた。その衝撃により空気は強制的に吐き出され、同時に血も吐く。


 その時、リリス達4人はすでに動き出していた。リリスはその足に雷を纏わせ、ベルはリリスを獅子に向かって投げる。すると、手に持っている剣に風を纏わせた。


 兵長はロキの背に跳び出すとその剣に光を瞬かせ、ロキはその場で口を大きく開けた。


「「「「雷切/嵐旋/光滅の刃/ウォン(雷咆)」」」」


 獅子に向かって円形の雷の斬撃、嵐の如く荒れ狂う風の斬撃、眩く多大なる熱量を帯びた光の斬撃、そして雷を最大まで収縮させた雷のレーザーの4つの攻撃が放たれた。


 その攻撃に対して獅子は一発咆哮した。すると、その攻撃はその4つの攻撃を蹴散らして、もはや質量を持った物質を投げ当てているかのような衝撃波がリリス達を襲った。


 そして、それぞれが壁へと叩きつけられる。


「調子に乗ってんじゃねぇ。強いのは俺だ」


「ガアアアアア!」


 獅子がその4人へと襲いかかろうとすると突如<隠形>で隠れていたクラウンがその獅子の横へと現れた。


 そして、横腹を掻っ捌くように刀を横に突き立て、そのままじ重力に従って下に落ちていく。その痛みに獅子は吠え、落下し始めた。


 すると、獅子が地面に背を向けるように体勢を変える。そして、その遠心力でクラウンを上方へ飛ばすと大きな爪で切り裂こうとする。


 それに対し、刀でガードしてなんとか踏ん張ろうとするが、力負けして壁に大きくクレーターを造るように叩きつけられた。


「大人しく調教されなさい!」


殺す(切る)です!」


「あまり年寄りを舐めるでないわ!」


「ウォン(怒った)!」


「ガアアアアア!」


 獅子がクラウンと戦っている隙を逃さず一気に怒りを吐き出しながら攻めに行った。そして、リリスがその背を思いっきり蹴り上げる。すると、獅子はその痛みに大きく背を逸らした。


 そこに両側から切りかかるようにベルと兵長が向かって、そのまま切り裂いた。さらにダメ押しとばかりにロキが再び<雷咆>を放ってその背を焼いていく。その連続攻撃に獅子は悲痛な声を上げた。


「「「「!!!」」」」


 だがすぐに体勢を立て直し、リリス達に向かう。そして、落下しながら回転して、その尾で叩きつけようとした。しかし、それはリリス達も簡単に避けていく。


だが、その獅子の狙いはそうではなかった。獅子の狙いは自分の頭上にリリス達4人を一緒にしておくこと。


 そして、そこに極光を放った。その光線はリリス達を包み込んでいき、再び天井で轟く音が鳴り響いた。


「チッ、手間かけさせやがって」


「クラウン!」


「主様!」


 だが、その攻撃はリリス達に当たることはなかった。なぜならクラウンがリリスとベルを小脇に抱え回避させていたからだ。ちなみに兵長は最速のロキに咥えられ回避済みである。


 リリスとベルは正直死を覚悟していた。逃れるにはあまりに大き過ぎるその光線はまさに回避不可能であった。


 ベルがたとえ<瞬脚>を使ったとしてもクラウンとはもともとの筋力値が違うので、一歩で進む距離が違い結局避けることは出来なかった。


だからこそ、クラウンの助けはとても心強く、安心できるものであった。そして、クラウンが助けてくれたことが嬉しくもありで、場違いにも体温が上昇していくのを二人は感じた。


「お前らは俺に必要だ。だから、勝手に死ぬんじゃねぇ」


「「!!!」」


 二人はわかっている。その意味がクラウンと自分達とで違うことが。だが、それでもそのことがとても嬉しい。「死ぬな」という言葉が胸に響く。


 リリス的にはもともとの印象が最悪だったからこそ、余計にそう感じるかもしれない。あの夜から感じるようになった時折胸に感じる鼓動。まさか......ね。


 そうは思いつつも思わず熱量を帯びた視線を向けてしまう。クラウンはそんなふたりにため息を吐きながら告げた。


「その視線はやめろ。心がかき回される感じがする。言いたいことがあるなら全て終わったら聞いてやる」


「べ、別にないわよ。そんなこと」


「主様、カッコいいです」


「......やっぱ聞かねぇ。さっさと狩るぞ」


 そう言うとクラウンはベルとリリスを獅子に向かって投げつけた。同時にクラウンも<天翔>で下に向かって急降下していき、投げた二人を追い抜くと鞘を左手で持ち刀を握った。


 そんなクラウンに対して獅子は迎撃態勢に入る。だが、警戒していた極光は放たれることはなかった。どうやらあれは連続では撃てないらしい。


「あまり無視をされると悲しいのじゃぞ?」


「ウォン(でかいだけの雑魚が)!」


 その瞬間、ロキと兵長がクラウン達を注視している獅子に向かって突貫していき両前足を切り裂いた。その攻撃で獅子は体勢を崩す。そこにクラウン達が攻撃を仕掛けた。


「一刀流、大鷲の型――――――焔爪!」


「「風炎の槍」」


 クラウンが一気に抜刀した瞬間、刀についた獅子の油が刀を引いた時の火花にで燃えてその黒き刀身を赤く燃え上がらせた。そして、そこから一気に獅子の顔面を切り裂いた。


さらにそこに追撃とばかりにリリスが炎と風を融合させた魔法を足に纏わせ自身を槍のように見立てて獅子に向かって行き、ベルはリリスの魔法をコピーして同じく攻撃を仕掛けた。


「ギャガアアアアアアアア!」


 獅子はクラウンの攻撃が顔面に、リリスとベルの二人の攻撃が両肩を打ち抜いた。その激しい痛みに獅子は絶叫の声を上げながら頭を垂らして沈黙した。


「ふぅー、やっと落ち着いたのかしら。やはり調教は必要みたいね」


「ですけど、嫌な予感がするです」


「お前の言う通りだ、ベル」


 すると、その獅子から大気を揺らすような気迫と地鳴りが響いた。そして、ゆっくりと立ち上がろうとする。だが、そんな隙を逃すクラウンではない。一気に間合いを詰めると喉元を切り裂こうと近づいた。


「くっ!......がはぁ!」


 しかし、その前に覚醒したと思われる獅子は黄色がかった全身を憤怒の赤に染め上げて、額から2本の角を生やした。そして、その獅子は向かって来るクラウンに対して衝撃波を伴った咆哮を放った。


その攻撃によってクラウンは攻撃が出来ず、段違いに速く、強くなった前足の攻撃がクラウンを襲った。それによってとんでもない速さで吹き飛ばされる。


「主様!」


「大丈夫よ、ベル。あいつは何だかんだで、頑丈だから。それよりも前に集中すべきよ」


「リリス君の言う通りじゃわい。もう他に構っていられるほど敵も甘くはなくなっておる」


「ウォン(来るよ)」


 獅子は両前足を大きく振り上げるとその足を薙ぎ払って触れなくても危ない斬撃を放った。よって、リリス達の行動範囲は制限され、多少切り傷を増やしながらもなんとか避けていく。


するとその時、突如として体が宙に舞った。獅子が前足を地面に叩きつけて地面を隆起させたのだ。


 そして、そんなリリス達に獅子の太い尻尾が叩きつけられた。全員、肺が強制的に吐き出され、血が口から流れる。


「邪魔だそれ」


「ガアアアア!」


 だが同時に、その尻尾をクラウンに切り落とされた。そして、クラウンはその尻尾に糸を絡みつけると獅子に向かって投げつける。それに対して、獅子は口を大きく開けて光を収束させ始めた。


「来たか」


 その時、クラウンはそれを見計らったように頭上に左手を伸ばすと一気に引いた。すると、天井の巨大な瓦礫が引っぺがされ獅子の頭へと落ち、その収束させた光を暴発させた。それによって獅子は自傷ダメージを負う。


「お前ら出番だぞ」


 クラウンが刀を鞘にしまうとクラウンの後ろからリリス達の姿が見えてきた。


「ええ、任せなさい。いい加減頭に来たわ。私の足に蹴られて死になさい」


「切って、抉って、殺すです」


「ベルの言葉遣いが悪くなっていくのが心配じゃが、それだけクラウン君に染まったという事かの。なら、それまでやられるわけにはいかんの」


「ウォンウォン(噛みちぎて殺してやる)!」


 そして、未だ自傷ダメージで動けなくなっている獅子に4人は向かった。まず仕掛けたのは最速のロキで片方の後ろ足に向かうと数十発の<斬翔>からの<雷咆>。


 そして、その足に噛みつくと<剛顎>を使って強化した顎で骨をかみ砕き、完全に使い物にならなくした。


「なら、次はこっちじゃな」


 次に動いたのは兵長でロキが破壊した後ろ足とは対照的な位置にある前足に一気に切り刻み始めた。それは元勇者であったからこそできる早業で一秒に十数発と叩きこんでいく。


 そして、剣をその前足に突き刺すと<光滅の刃>で同じく骨を破壊した。そのことによって獅子は動けなくなる。


 だが、獅子「とてやられっぱなしではいれない」とまだ目の前にいる()()()()()()()に向かって咆哮しようとした。


「この筋肉はただの見せかけです」


 しかし、その口は開くことはなかった。なぜなら、ベルが魔力で最大強化した糸で口を閉じたのだ。


 そして、そのがら空きになった額へと逆手に持った剣を突き刺して抉り、冷たい瞳で見ながらさらに袖から剣を投げて両目を潰した。


「ロキちゃんにもあげてない、私の足技特別にくれてやるわ」


 ベルが攻撃している隙に獅子の腹の下へと入るとその場で逆立ちになるように両足を上げると思いっきり蹴り上げた。同時に<雷槍>を使いながら。


 すると、リリスの蹴りは獅子の体を持ち上げ、雷の槍が腹部から背にかけて貫通した。


「一刀流奥義......」


 クラウンはその獅子の頭の真下へと辿り着くとそのまま真上へと跳んだ。


「お前は俺の()となる。喜んで死ね......苦罰の一閃」


 そして、一気に抜刀した。その瞬間、獅子の首は撥ねられ、頭と胴体の二つに分けながら地に落ちた。クラウンはそれを見ながら刀を鞘へとしまう。


「フォフォフォ、まさかこの戦いで儂が教えた技を使ってくれるとは。教えたかいがったわい」


「これでやっと終わりね。はあ、さすがに疲れたわ」


「主様、今の技とてもすごかったです!」


「ウォン(お腹減った~)」


「なら、これを食うか」


 そう言うとクラウンはその獅子に近づいていった。正直、これを見て疑問に思うこともある。この獅子があの神殿と同じならこの獅子はすぐに粒子状になって消える。


 だが、それがないという事はこれはただの魔物であるという事。それが解せない。


そう思いながらクラウンはその獅子の肉を生のまま食い始め、ロキにも与えた。それを初めて見たベルとリリスは目を丸くしベルは同情の目を、兵長は悲しそうな目を向けた。


 するとその時、地面が、いや神殿自体が大きく揺れ始めた。

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