人生.2
「起きて下さい、向井正太郎さん」
そんな声が聞こえた。優しく、美しい女性の声だ。
目が覚めたらそこは宇宙のような空間だった。
地面や壁と思われるところどころは黒く塗りつぶされており、赤や黄色などの星の輝きのようなものが見える。
寝ていた姿勢から起き上がるといつの間にか目の前に綺麗な女性がいた。それは絶世の美女と呼んでもおかしくない人だった。顔は美人と呼ばれる人でもトップにたちそうなくらい整っており、髪は綺麗な金色で腰のところまでありサラサラしていそうだった。服装白いドレスのようで、細い彼女の体型をしっかり包み込んでいた。
「目覚めましたか?」
「ここは?どこですか?」
「星の集まる場所。魂の集う場所です。」
女性は優しく教えてくれたがさっぱり理解できない。俺は確か車に轢かれて死んだはずなのでは?
「はい。向井正太郎さんは確かに車に轢かれて亡くなりました。なので、この場所に連れてきたのです。」
ナチュラルに俺の心を読まれた。。。
俺のプライバシーは?
「ということは、ここは天国ですか?」
「いいえ、ここは天国と地獄の狭間です。」
次に質問をしてみたがさらに理解が難しくなった。何で俺はそんなところにいるのだろう?
「それは貴方にお会いしたいという方がいるからです。」
「それは誰ですか?」
「全知全能神。創世神と言えば分かりますか?ようは神様です。さらに言うなら神様の中で一番偉い神様です。」
なんと?!さらに理解が難しくなった?!
神様の中でも一番偉い神様がなんで俺なんかに会いたいんだ?俺は何かしたか?
「それは先ずお会いした時におうしえします。先ずは私についてきてください。」
「。。。分かりました。」
俺は何がなんだか分からないがこの人(?)についていかなきゃいけないみたいだ。
いつの間にか宇宙のような空間に光輝く一本の道が出来ていた。俺がついてくる雰囲気を察して、綺麗な女性は光の道の上を歩き始めた。俺もその後に続いて光の道の上を歩き始めた。
すると、先程までどこまでも広い宇宙のような場所だったと思っていた空間、俺の100メートル先に突如として光輝く塊が見えた。きっとあそこにいるのであろうことは間違いない。神様の中でも一番偉い神様が。