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運命の?/何が起きたのか

ここからが第一章です。

曜日を光 闇 火 水 風 雷 土 (日月火水木金土)にしましたが、月日や時間の呼び方を変えると表現するときに大変なのでそのままにしました。


 明日は学校の入学式だ。学校は領内の中心、隣の街にあるため明日は早く起きないといけない。分かってはいるんだけど……


 (どきどきして眠れないよ~)


 眠らなきゃと思いながらも、明日から上手くやれるかなとか友達出来るかなとか考えてしまって全然に眠くならない。


 『……う、うん?』


 ベットの中で右向いたり左向いたりしながら眠ろうと頑張っていると、窓の方で何かが聞こえたする。


 『暗いな……ここはどこだ?』

 「だ、だれ!?」


 男の人の声だ。思わず夜なのに大きな声を上げてしまった。


 『貴女こそ誰だ?いや、その前に電気をつけてもらえないだろうか』

 「……私、魔法なんて使えないわ」

 『ん?あぁ、そうだった。この世界(ここ)は科学が未発達だったな。すまない、明かりの事だ。ここにも照明具くらいはあるのだろう?』


 その人は少しいや、かなり偉そうな感じだったけど、私も暗いままなのは嫌なので照明具のあるところまで歩いて行って明かりをつけた。


 声のした方をみると、しかし誰も居なかった。


 「えっ、あなたどこにいるの?」

 『それを知りたいのは私のほうなのだが、お嬢さん、君から見て正面に周囲に腕輪がないだろうか』

 「……そんなのないよ」

 『うん?では翡翠色の透明な石か、それが付いているものはないか?』

 「石?そんな色のはないけど、透明な石ならここに」


 そう言って、机の上においてある首飾りを手に取る。色なんてなく透明なんだけど……


 「あれ?少しオレンジ色になってる」

 『オレンジ?よくわからんが、それが私だ』

 「!?きゃあっ!」

 『こら投げるな!』


 手に取った首飾りからさっきの男の人の声がして、とっさに放り投げてしまった。

 



 「まったく、物は大事に扱えと教わらなかったのか」

 『ご、ごめんなさい』


 少し落ち着いて落としてしまった首飾りを手に取ると、男の人に怒られてた。


 「それで、あなたは誰なの?」

 『私は遠山翔啓。遠山でも翔啓でも好きな方で呼ぶと言い』

 「ショーケイ?変な名前だね」

 『……君は礼儀を知らんようだな。まぁ、いい。それで君は?』


 礼儀を知らないのはどっちだっと思ってしまう。


 「あ、えっと、私はミリエラリア。皆ミリィって呼んでるの」

 『そうか。初めまして、ミリエラリア嬢』

 「むぅ、ミリィい!」

 『よく知らない奴にそこまでなれるな……まあ、いい。それでミリィ嬢。ここはどこで今は何年といつだ?』


 あなたもね!と思うが我慢する。もうただの子供じゃないのだ。


 「むぅ。……ここは私の家で私の部屋だよ。あと年?えっと、タファナ歴863年の4月3日、時間は……1時位?」

 『なっ863年!?』


 石からの声は何がおかしいのか、やけに驚いているように感じる。


 「う、うん。それであなたはどうしてそこに居るの?」

 『……いや、すまない。説明は少し状況を整理してからでもいいだろうか。1時ならミリィ嬢も眠いんじゃないか?明日ちゃんと話すから今は寝てるといい』

 「あっ、そうだった!」


 すっかり目が覚めてしまったが、明日は入学式だった。早く寝ないと。









 『863年か……』


 思わず口に出てしまったが、それほど驚きだった。最後に記憶がはっきりしているのは確か518年だった気がする。

 つまり345年も眠りについていたのだ。


 そうなると、もうあの頃の人たちは誰も生きてはいないだろう。


 …………。


 暗くなってよく見えないがミリィ嬢の方を見ると落ち着いていて眠っているのがわかった。


 こんな得体のしれない奴を前に寝られる彼女は少し変わっているのだろうが、この様子だと隣国との戦争も終わっっているのだろう。どちらが勝ったのかはわからないものの、ひとまずは安心だ。


 戦争で特大の雷魔法を受け止めてからの記憶が曖昧なのだが、なんとなく、感覚は覚えている。


 あったのは憎悪、悲嘆、狂気なんかを無理矢理に混ざり合わせた感覚だ。自分が誰なのかも忘れて、ただ人にこの気持ちを押し付けて楽になりたい。そんなことを思っていた気がする。



 ———食べるたびに……翔啓への気持ちや独占欲も強くなっていったの———



 ずいぶん昔に似たようなことがあったのを思い出した。茉弥(彼女)も精神に変化が起きたといっていた。


 強い感情の乗った魔力を取り入れることで、それに毒されてと考えるべきか。


 ミリィ嬢の方を見る。彼女が落ち着いていると分かったのは彼女の漏れ出ている魔力から感じ取ったとものだった。


 以前ならこんな些細な感情まで読み取ることは出来なかったが、感覚が鋭敏になっているのだろう。


 あと、ミリィ嬢は魔力の制御が全くできていない。


 魔力量も一般人の年相応のものしかないのに、魔力が外に駄々漏れである。それを長期間、無意識下で取り入れることで目覚めたのだろう。

 また、あのマルクス少年と比べるのは可哀想だが、彼女は頭も年相応なのだと思う。


 『はぁ』


 特にやらないといけないことがあるわけでもないが、これから大変なのは目に見えていた。


 とりあえず目標は私の幽体化かな。それまでずっと石の中にいないといけない。


 これも彼女から得られる魔力量の少なさに依存していた。

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