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帰るのがちょっと嫌だなぁ

今日は子供の日!というわけでミリィ視点で書いてみました。

 目が覚めると茶色い天井が見えた。家よりいいもの使ってそうだなーと思いながらなぜ自分がここに居るのか思い出そうとして、


 「壁がっ!」

 『うおぉぅ、急に起きるなよ』


 下から彼の声が聞こえた。見ると急に起き上がった私に押されて首飾りは勢いよく前へ行き、手前へ戻って私とぶつかり小刻みに揺れていた。


 「あっ、ごめん」

 『それより体の方は大丈夫か?』

 「うん。大丈夫だと思う……うん」


 腕を動かしたりと自分の体を見回す。ちょっと服が汚れているけどケガや痛いところはどこもない。


 「えーっと、」

 『ここは学校内の治療室だ。ミリィ嬢が無鉄砲に【身体強化】の魔法を強めた結果、自分の制御を超えて超加速、そのまま土壁に衝突しそうだったので私が魔力を君に返して大量に漏らすことで、君の周囲に濃い魔力層を形成、晴れて人間弾丸となったミリィ嬢は土壁が衝突し大穴を開けてたと気絶したというわけだな』


 ショーケイがいつものように、どばーっと話す。無鉄砲?人間弾丸?反動?が何なのかは分からないけど、えーっと


 「私がばーんと壁にぶつかって眠ってたってこと?」

 『……ん、まぁ、そうだな。あと土壁に穴が開いたことは付け加えよう』


 そっか……。加速(あれ)にはびっくりした。そして怖かった。壁に穴が開いたらしいし、もしかしてかなり危なかったんじゃないだろうか?


 ……


 「穴っ!?」

 『まだ思考が遅れているようだな。先生や他の子も驚きの表情をしていたぞ』

 「ど、どうしようっ!」

 『幸い怪我人は気絶したミリィ嬢だけのようだし、あの土壁も魔法で作ったものだろ。だから説明要求と説教だけで済むのではないか?』

 「説明って……」

 『自分の体質と魔力に気付いたこと、変に考えこんだら混乱してあとはよくわからないでいいだろう。逆に下手な事を言っても後々面倒になりそうだ』

 「わ、わかった」

 『とりあえず、今自分の状況を知っているのは変だからそこから尋ねるように』

 「う、うん……がんばる」


 嘘つくのは苦手だけど、頑張ってみよう。


 ちょうどいいタイミングで担任の先生が入ってくる。


 「起きてましたか、ミリエラリアさん」

 「はっ、はいっ。すみませんっ!」

 『おい』


 駄目だ。わかってるんだけど、緊張して思ったように喋れない。


 「何があったか覚えているのですか」

 「い、いえっ!ぶ、ぶつかったことだけ!」


 かみかみだ。


 「そうですか。まぁ幸いにも怪我人はいませんでしたし、ちょっと塀に穴が開きましたが、あのぐらいなら先生たちだけでもなんとかなります」


 家に帰るのは遅くなっちゃいますけどね、と言って笑って話してくれる。


 よかった、怒ってないようだ。


 「実は先生、その時いなかったので、ちょっと教えてくれないかな?」


 わかる範囲でいいよ。といった雰囲気ででこちらを見る。


 やっぱり怒ってるのかな?と先生の顔をみるがそんな感じはなかった。


 「えっと……」





 いつもより一つ遅い時間の馬車で家に帰ることに。


 マリーとロナちゃんが残ってくれていて、他の生徒はみんなで帰っていた。ネットは先に帰って、村の皆に事情を話してくれているらしい。


 待っててもらえたのはちょっと恥ずかしいけど嬉しかった。でも両親には怒られそうだなぁ。


 ルークも治療室に来たと思ったらすぐに帰っていった。貴族って忙しいのかな?


 「ほんとに大丈夫なの?」

 「大丈夫だって。心配しすぎ」


 マリーはずっとおどおどとしてこんな感じだ。嬉しいけどごめんなさいって気持ちになる。


 「どーん……って……すごかった……」


 ロナちゃんはなんかわくわくしている感じだった。でももうやらないよ?怖かったし。


 『やはり【身体強化】の訓練もしないとな……しかし先に他の魔法を使えるようにしないと評価が……その前に勉強か……まず今日の所までは今日中に……』


 ショーケイは何やら不吉なことを考えている。私が出来ないのがダメなんだろうけど……


 『うん?どうした?……心配しなくてもちゃんとやれば出来るようになるさ!』


 何かを感じたようで、そんなことを言ってくる。気持ちが分かるならせめて今日はやめてくれないかなぁと思う。どうやら何でも解るわけではないようだ。


 「はぁー」

 「ど、どうしたの?やっぱりどこか……」

 「ううん。なんでもない」


 私は笑って答えた。


 色々頑張らないと!


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