迷子
「おーい、だれかいませんか?」
青年は森の中を歩いていた。
友達とみんなで山にハイキングにきて迷子になってしまった。
「これが夢だったらいいのに、目の前にいきなり扉があったら面白いのに」
そう言いながら周りを見渡すが、見えてくるのはどこまでも続く森の中、まるで、でっかい鳥かごの中にいるようだった。
すでに何時間も歩き続けているため、体力の限界がやってきた。
持ってきたリュックの中に使えるものがないか見てみると、使えそうなのは双眼鏡と方位磁石しかなかった。
方位磁石で方角を確認するがここの場所がわからないと意味がない。
次に双眼鏡で周りを確認する、すると遠く離れたところに光り輝く扉があることに気づいた。
「……夢? 幻覚?」
森の中に扉があるなんてこと無いと思いつつ、このままじゃどうすることもできず扉に向かって歩き出した。
十分ほど歩くと、木と木の間に光り輝く扉があった。
まるで宝石のように光っていた。
「マジでこんなのがあるのかよ……」
青年は扉を触る。
こんなのがあるなんて普段は信じないが今、目の前に信じられないものがある。
カメラを持ってくればよかったと今頃思いながら、少しずつ扉を開ける。
すると、ものすごく強い光が出てくる。
この先に何があるのかわからないが、このままこの森を彷徨うよりも面白そうだからという理由で、扉の中へを青年は飛び込んでいった。
ゆっくりと扉が閉まる、そして扉は静かにそこから姿を消した。