お兄ちゃんが、好き!
初の短編です。
気に入っていただけるとありがたいです。
お兄ちゃん。
あたしの、好きな人。
あたしの、片想い。
叶わないのは、知ってる。
だって、お兄ちゃんには
好きな人がいるから。
だけど、諦められない。
あたしは、中学生。
お兄ちゃんは、高校生。
3つも離れてる。
あーぁ、なんであたしは、妹なんだろう?
あんなキャピキャピしてて、ぶりっこな人なんかより、あたしのほうが、ずっとまし。
もしあたしが、妹じゃなかったら、一番にお兄ちゃんの彼女になるのに。
いつか、お兄ちゃんに聞いたことがあるんだ。
「ねー、お兄ちゃん」
「なんだよ」
「あたしがもし妹じゃなかったら、彼女にしてくれてた?」
「は? 知らねぇし。 つかさ、お前バカだろ。」
お兄ちゃんからしたら、妹は恋愛対象じゃあないよね。
分かってる。
「あたし、頑張って学年1位キープしてるよ?」
「そういう意味じゃない」
じゃあ、どういう意味なの?
ここから先は、聞けてない。
拒絶されたくなんかないし…。
もう一回、聞いてみようかな。
コンコン。
「お兄ちゃん?」
「なんか用? 手短にしろよ。」
「あのね…… お兄ちゃんは、あたしのこと、好き?」
「なんだそれ。前も聞いてきたよな」
覚えてたんだ…
「あんなこと聞かれて、忘れるわけねぇだろ。」
「じゃあ、好き? あたしのこと。」
「好きだ。」
予想外。だけど、嬉しい。
「妹として?それとも、女の子として?」
「両方。」
「ずるい!!」
「ずるくねぇよ。 本当のことなんだから。」
本当に、ずるい。あたしが欲しい言葉ばっかり言って。
「やれやれ、やっとかよ。」
「なにが?」
「いや、なんでもない。」
「お兄ちゃん。」
「なに、まだなんかあんの?」
「ううん、ありがとう。 大好き。」
あたしは今、世界一幸せ。