人を助けるが……………
皆さんはテレビゲームをしますか?
オススメのゲームとかあったら教えて下さい。
「さっきいた場所とは違うな」
「はい、さっき私達がいた場所は………丁字路でしたし」
「…………………あぁ、そのようだな」
三人は驚きつつも、魔物がいないか確認しながら会話している。
「どっちに進む?右か左か………」
「サミュエルさんが決めて下さい。私はこういうのに運がなくて」
「サミュエルが決めろ。どのみち外れでも、戻ってもう一方の道を探索するだけの事だ」
二人にサミュエルが決めてくれ、と言われ直感で右を選ぶサミュエル。
そして三人とサミュエルが出しているゴーレム一体と仲良く進む。
やがてこの二階層に来て三十分位経った頃、魔物が現れた。
外見は狼のようだが、体長は狼の二倍はある。そして体毛は真っ赤な色をしており………火炎放射を口から吐く魔物であり、名前をファイアーファングという。数はなんと十八体もいる。因みにファイアーファングの討伐ランクはランクCだ。
そんなファイアーファングの群れをみてサミュエルが二人に指示を出す。
「カトナーは前線に出てくれ!!ミレーユは俺かカトナーに危険があったら魔法で援護を頼む!!」
「分かりました!!」
「ハハハハッ!しゃああああ!!」
サミュエルの指示を聞き勢いよくファイアーファングの群れに突っ込むカトナー。
そしてサミュエルはそんなカトナーの背後に付きサポートしながら自分を襲うファイアーファングを斬り倒していく。
そしてミレーユは魔力を体に満たし、いつでも魔法を放てる状態で二人を見守る。勿論ミレーユを守る為ゴーレムが盾と剣を持ちファイアーファングを警戒している。
「しゃぁあああ!!しゃしゃしゃしゃああああああ!!」
「はあ!せぇあ!ストーンランス!」
カトナーは右から左に剣を振る、そしてすぐさま剣を引き戻し連続で突きを放つ。すると最初の横薙ぎに振った剣で一体のファイアーファングを倒し、次の連続突きで、五体のファイアーファングをたおした。
サミュエルはカトナーのサポートをしつつ、噛みついて来たファイアーファングに二連突きを放ち倒すと、離れた位置から火炎放射を放とうとしていたファイアーファングにストーンランスをぶち込んで倒した。
すると部が悪いと判断したのか残りのファイアーファングは距離を取りながらカトナーとサミュエルを包囲していく。
それを見ていたミレーユが危険だと判断し、呪文を唱える。
「敵を燃やせ!ファイアーボール!!」
ミレーユが呪文を唱えると直径30㎝程の火球が三つ出現し、ファイアーファング一体に一つの火球が放たれた。
そして火球が命中するが致命傷には及ばない、恐らく火炎を吐く魔物の為、火に強いのだろう。
だが確実に三体にダメージは与えている、サミュエルはそのダメージを受けている三体に視線を向け飛び出し、カトナーはサミュエルとは反対方向にいるファイアーファングに向け飛び出す。
「せぇああああ!!そぉあああああ!!」
「しゃあああ!しゃしゃしゃあああ!」
サミュエルが上段から剣を振りおろすと一体のファイアーファングの顔が縦に切り裂かれる、するとダメージを負っている二体がサミュエルの左から襲ってくるが、ダメージのせいか幾分遅い。その為サミュエルは振りおろした剣をそのまま左に力一杯に振る、すると二体のファイアーファングは首を切り落とされ絶命した。
カトナーは飛び出した直後、右からファイアーファングに爪で襲われるが右の手甲で弾くとそのまま右手で殴り、体勢を崩したファイアーファングに左手一本で剣を持ったまま突きを放つ、するとファイアーファングの口に剣が吸い込まれていき、カトナーが剣を抜くとファイアーファングは少しも動く事も無く魔石だけを残し消えた。
そして残り八体が一ヶ所に集まった瞬間カトナーが今までより多い魔力を体に満たし剣を横薙ぎに振るった。
「しゃぁらぁあああああ!!」
カトナーが剣を横薙ぎに振るうと剣から白い光の線が放たれた。
そしてその光の線が残りのファイアーファング八体を通過していくと、ファイアーファングは上顎と下顎から丁度上下に切り裂かれ内蔵と血を撒き散らし八体共、死んだ。
それを見てサミュエルは驚愕した様子でカトナーに質問する。
「今のはいったい?魔法なのか?」
「いや…今のは魔法ではない。魔法とは魔力を生み出し、呪文を唱える事により発現するものだが……俺は魔法を使えん……その為編み出した技が今見せた壱閃だ」
「イッセン?だがその壱閃とやらを放つ際、かなりの魔力を感じたぞ?」
「あぁ、それは……簡単に説明すると魔力を剣に流し、そしてその剣に流した魔力を飛ぶ斬撃に変えて放つんだ…………クククッ……貴様との…サミュエルとの戦いでは使う暇が無かったが……奴等には使う隙があったからな」
サミュエルはカトナーの返答を聞き、以前カトナーと戦った時に使われ無くて本当に良かったと心底思っているようだ。
そしてミレーユは死んで残った魔石と素材の赤い毛皮を全て拾って来てサミュエルに渡しながら声をかける。
「これだけでも結構な稼ぎになりますよ。噂通りですね」
「噂って?」
「そうですね、サミュエルさんとカトナーさんは強くなる為にここに入っているので知らないでしょうが………よく冒険者の間で言われている噂なんですけど………ダンジョンに一ヶ月ずっと入ってると十年は遊んで暮らせるだけのお金を稼げると言われています。以前は言い過ぎなのではと思っていましたが、確かに一ヶ月は言い過ぎですが数ヶ月ずっと入っていたら十年は遊んで暮らせるでしょうね」
「クククッ、ダンジョンに入れば強くなれるだけじゃなく……ダンジョンを出た後は好きなだけ酒を飲めると言う事だな!」
「はははっ!カトナーの言う通りだな!」
ミレーユの話を聞きカトナーとサミュエルは、強くなれて酒も飲めるなんていい仕事だなと笑い合う。そしてそんな二人の言葉を聞いたミレーユは男ってしょうがないわねといった表情で笑いながら見ている。
そんなふうに笑いあった後はまたダンジョンを進む三人。
そして幾度かポイズンブルやファイアーファングといった魔物に襲われるも全てを返り討ちにして進んでいると、怪我をした人やその怪我をした人を庇いながら戦っている人、といったふうに合計 六人の高価な武器や防具を装備した男達が目に入ったてきた。
そんな男達を見てサミュエルはミレーユとカトナーに問いかける。
「どうする?助けるか?まぁ、冒険者的に言えば覚悟してダンジョンに入って来てるんだから絶対に助けなければいけないという事もないし……」
「サミュエルさんがこのエフォールのリーダーなんですからサミュエルさんがお決め下さい」
「フンッ……サミュエルの好きにしろ」
二人に問いかけるが二人共、サミュエルが決めていいと言ってきたので、サミュエルは笑みを浮かべながら決断する。
そして二人に言葉をかける。
「よし、それじゃあ助けよう!!魔法だと人を巻き込む恐れもあるから……ミレーユは待機していてくれ!俺とカトナーの二人で突っ込むぞ!魔物は五体だけだが油断するなよ!」
「分かりました!」
「……………………………」
サミュエルの決断と指示を聞きミレーユは大きく頷き、カトナーは無言で頷く。
そしてサミュエルはファイアーファング二体に向けて飛び出し、カトナーはポイズンブル三体に向け剣を振りかぶりながら駆け寄る。
「うるぁあああ!!」
「しゃぁあああ!!」
サミュエルとカトナーがそれぞれ一体ずつ倒すと魔物達がこちらに注意を向けたほんの少しの隙をつき襲われていた者達が残りの魔物を一斉に攻撃して倒した。
そして死んだ魔者達が素材と魔石を残し消えた。
すると待機していたミレーユとミレーユを護衛しているゴーレムが駆け寄ってきて無事を確認してきた。
「大丈夫ですか?サミュエルさんカトナーさん」
「勿論、大丈夫だよ」
「ククッ……この程度の魔物に傷を付けられる程、俺は弱くない」
ミレーユの問いかけに笑顔で答えるサミュエル。しかしカトナーは目の前に先の魔者達に怪我を負わせられた者がいるにも関わらず挑発的な物言いで答える。
そして身なりのいい冒険者達がサミュエル達に礼を述べてきた、一人を除いて。カトナーの姿を見て戸惑いながらではあるが…………そして除いた一人とは……怪我をしていて守られていた一人の事で、カトナーの言動に若干、というよりかなり頭にきているようだ。
「「助かった、礼をいう」」
「感謝する」
「危うくここで死ぬかもしれないところであった」
「すまない、助かった」
口々に礼を言っていく五人。
そして頭にきているのだろう、怪我をしていた冒険者がポーションを飲み干してから顔を真っ赤にして叫ぶように文句を言う。
「貴様!今この私を侮辱したであろう!!………貴様は魔族であろう!!この私のような高貴な血筋の人間に向かって!…………薄汚い魔族め!!」
サミュエルは、カトナーに向かって文句を言う男の口調から面倒な事になりそうだなと考える。
というよりも既に面倒な事に、確実になっているのだが。
読んでいてこういう所を直せばいいのにと思う所などありましたら指摘して頂けるとありがたいです。




