第3話『一人目』
桃太伝の続編ですので、桃太伝を見てないと内容がわからないと思われます。
できれば、桃太伝をお読みになってからこちらを読んでください。
あらすじ
桃太郎の子孫である桃太が仲間とともに悪の軍団、鬼王軍を倒してから数ヶ月後…
桃太は白雉に会うことができた。
「えっ、白雉様のお知り合いなのですか?」
門番は驚いたようすで尋ねた。
「ええ、鬼王軍との戦いで共に戦った仲間です」
「それは失礼いたしました。どうぞ、お通りください」
門番はそう言うと道をあける。そして、桃太たちは都の中に入っていく。
「桃太さん、今日はどうしてここに?」
左近が聞く。
「実は……」
桃太は経緯を話した。
「そんなことがあったんですか」
「そうなんです。だから、左近さんにも協力してもらおうと思って」
「桃太さんの頼みなら喜んで手伝いますよ。ただ、都をあけるには帝の許しが必要
があるのです」
「そうですか……」
「まあ、帝に頼んでみましょう。桃太さんも紹介したいですし」
「本当ですか、ありがとうございます」
桃太たちは帝のいる御殿に向かった。そして、御殿の中に入るとスダレの奥に
人影がある。
「帝様。この者が前にお話した吉備桃太でございます」
左近たちは、ひざまずいて頭を下げている。
「苦しゅうない、おもてを上げ」
帝が言った。
「ははっ」
「そなたが吉備桃太か? 話は聞いておるぞ。たいした働きだった。褒美に何が
ほしい? なんでも言うがよいぞ」
すると、桃太は口を開いた。
「それではお言葉に甘えて」
「うむ。なんじゃ」
「白雉さんを一時貸してください」
「白雉を?」
「はい。実はまた新たな敵が現れまして、どうしても白雉さんの力をお借り
したいのです」
「そうなのか、白雉」
「はい、そのようです」
「うむ、では分かった。行くが良い」
「ははっ、ありがとうございます」
左近たち三人は深く頭を下げた。
こうして左近を仲間にして出発することになった。
町の中を歩く三人。
「では、これから犬山城に向かわれるのですね」
「はい。新之助さんと半蔵さんに会いに行きます」
「ここからだと馬で行けば二日でいけますね」
「じゃあ、行くぞ。一刻も早く鬼が島に行かなければならないのだ」
桃太たちは犬丸にせかされると急いで犬山城へ向かうことに。
三人は都を出発してから夜も休まず走り続けた。そして二日後。
「フ~、やっとつきましたね」
左近は疲れたようすで言った。
「そういえば、犬丸は城下に入ったら大騒ぎになるんじゃ」
桃太が言う。
「そうだな、入らない方がいいだろう。あいつはあいつの父親とのことで
相当オレを恨んでいるだろうからな」
「うん」
「だから桃太、お願いだ。ヤツを説得してくれ、頼む」
犬丸は頭を下げて頼んだ。
「わかった。できるだけのことはやってみるよ」
桃太はそう言うと、左近と二人で城に向かった。




