Ep31 ラストダンジョン
温泉は思っていたより狭く小さいものだったがとても気持ちが良いものだった。
「リダーいい湯だな!これなら一日中浸かっていられるな」
「そうだなぁ温泉ってこんなに気持ちいいものなんだな」
俺とリダーは湯に浸かり足を伸ばす、長いこと歩いては休んでを繰り返してはいたが身体は正直だ、お湯に入っているだけで身体の力が抜けているのが分かる
そういえば最近ジンの口数が少ない気がする、さっきは少し出てきたが…いつもなら今まさに話にツッコんで来るのに、おーい聞こえてるか?温泉だってよ!綺麗なお姉さんと混浴だぞ!
ーーしかし返事は返って来ないーー
なんだよ…つまんないな…
「どうしたんだいアラジン」
ジーニアスが湯に浸かる事によりお湯のかさが増す
「いえ、なんでもありません。それよりあの人に温泉と宿の場所を教えて貰えて良かったですね!まさか併設されてるとは考えてなかったですね」
「あぁうん、確かに良かったね〜」
ジーニアスも疲れが溜まっていたのか次第にふにゃふにゃになっていくし、俺の話をあまり聞いていない様子だ
「それにしてもあの人とはどういう関係なんですか?愛人かなんかですか?」
その言葉にムッとした表情でコチラを見ている。
流石に失礼だったな、ちゃんと謝ろう
こういうのはちゃんと謝らないと関係が悪くなってしまう
「すみません」
「いーよ、玲衣はねぇ極東で出会った友達だよ、玲衣はマギ容認派だから安心するといいよ、彼女は僕の願いを応援してくれているからさ」
先生の願い…マギが受け入れられる世界…それは戦神連盟がある限りそれは叶わない願いだ。シャールを追い込んだ拳神と弓神を殺さないと叶わない願い…
「アラジン?君はまだ子供だ、そんな顔するんじゃない」
目にタオルを置いてくつろいでる先生が話しかけてきた
「見えてないのに何言ってるんですか」
「見えてなくても分かるものだよ、子供の顔くらいさ」
「…先に上がります。先生達はゆっくり浸かっててください」
エルデネから貰った服に手を通し、自室へと向かっていると途中で玲衣と出会った
「どうだった温泉?」
「はい気持ちよかったです」
「そっか!」
少し沈黙が流れるとアラジンはある事を尋ねた
「玲衣さんは親しい人を殺した事はありますか?」
アラジンのその問いに玲衣は何事もないように軽く答えた
「あるよ、ウチは代々首切り役人なんだ、でも今はジーニーを助けたから勘当されたんだけどね!」
先生、何したんだよ…
「私はね泣き叫ぶ親友の首を切り落とした、君は?」
「俺は…母のような人を殺しました」
「そっか辛かったね…よし、君におまじないを掛けてあげよう」
そういうと俺と目線を合わせる為、膝を折る
「呪いでもかけるつもりですか?」
「ちょっと違うよ、おいで」
そう言って俺をハグした優しい言葉を投げかけてくれる
「ありがとうございます玲衣さん」
「あれ?あんまり効き目なかった?おっかしいな…」
「いえ、既に2人にして貰ったことがあったので」
「贅沢者!」
そう言ってアラジンのほっぺを軽くつねって部屋へと戻って行った
その日はぐっすり眠ることができた
「じゃあまたね玲衣」
「そうだねジーニアスまたね!アラジンとリダーもまたね!」
「はい、またいつか!」
リダーはペコッと頭を下げる
次の日、玲衣を見ると戦神連盟の証を剥がしていた
別れの挨拶はそこそこに俺たちは次の街へと向かった
ケル大陸 大都市メルキル
そこは数々の煙突から蒸気が上り、周りを見渡すと鍛冶場が多く、そこにはドワーフや屈強な男達が汗を流している
「さぁ着いたよ!四賢人ヘパルトスが居る大都市メルキルだ!」
「じゃあ早速その人に会いに行きましょう」
「そうだね!」
3人で四賢人の住所に向かう
硬いドアを叩き、住人の返事を待っていると返事が返ってきた
「開いてるから入ってこい」
俺達は家の中に入るとそこに居たのは銀髪の若い男だった。
その男は長い筒の様な物をコチラに向けていた。なんだアレ、なんだか凄く嫌な予感がする
「お前?アラジンか?」
「なんで俺の名前を知ってる…」
(避けろッアラジン!)
ジン!?
バコーンッ!
その轟音と共に筒のような物からは煙が出ている
「キャルディの勘は当たるな!」
床に血がボタボタという音を鳴らしながらこぼれ落ちる、片目をやられた…だがもう1つの目はその証を逃さなかった!戦神連盟!
「アラジン!!」
「兄さん!」
くそ…土の魔精が居ないから防御ができない
「守護せよ(プロヒベーレ)」
「意味ねーよ!」
その筒から放たれた弾は魔法障壁を突き破り、俺を庇ったジーニアスの肩に当たる
俺はリダーと先生の手を掴み一か八かの転移魔法を使いその場から逃げ出す
イメージなんてする余裕は無かった
俺たちが辿り着いた先は…
何処かの建物の中だった。
「先生、リダー!大丈夫ですか!?」
「ああ、僕は魔力で守ったから軽傷だ」
俺の目の傷はゆっくりと修復され、2人の傷を確認する。先生は軽傷と言ってるが思ったより傷は深い
「まずは、ここから出ましょう、何に襲われるか分かりませんから」
そう言って転移魔法を使おうとしたが何も起こらなかった
「あれ、発動しない…」
「アラジン、どうやらこのダンジョンは魔力が使えないようだ。1度文献で見たことがあるケル大陸にある魔力が使えないダンジョン…現人類には攻略不可能と言われた。名称…ラストダンジョンだ」
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