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1.わからない

 今回から、試作ではなく。本作に入って行きます! 少し、初っぱなからやり過ぎた感はありますが、優しい目で主人公が死ぬのを見届けてくれればなと思います。

 俺はここの人間が嫌いだ。

なにが青春だ、箱を開ければクソの集まりだ。どいつもこいつも自己中心的で、自身の利益のためなら切り捨てる。何が恋だ、自分勝手に相手を染めて、その人の魅力を奪い挙句の果てに好きじゃなくなったから要らない。俺はこの世界が――嫌いだ。


「青春なんて、クソだ」


 俺だって夢を見たかった。アニメのような甘い恋愛がしたかった。仲のいい友人を作って楽しい青春を味わいたかった。それなのに、なんだ?


『そんな話よりさ、この子かわいいよね? そう思う?』


 気持ちが悪い。顔面に重加工する奴らの思考が読めない。自分の個性を捻じ曲げてでも『かっこいい』『かわいい』が言われたいのか?


「そうだね」

『――だよね? でも、この子はぼくの彼女にするからあげないよ??』


 この世界が気持ちが悪い。嫌いだ――何もかもが理不尽なこの世の中が。誰もがのうのうとヘラヘラ笑っていられるこの世の中が。


「そんなの心底どうでもいいわ」


 突然、俺の口から飛び出した低い言葉は周囲の音を消し去る。


『……そんな、ハルトくんはそんなこといわないって信じてたのに』


 悲劇のヒロインのような、表情をしながら俺を見る。


「ご、誤解」

『――嘘だね、裏切り者!! 信じてたのに、さよなら』


 クソだ。話の先導権を誰にも渡さず。自分のしたい話のために俺を利用する。

俺は周りの目を見渡す。さっきまでの笑い声が消え、周囲の目は嘲笑うかのような視線で俺を見つめる。


 俺の言葉一つで、この世界の何もかもが変わった。


 ――いや違う。

 変わったんじゃない。もともとこの世界は、酷く冷たくて何もかもが、元の形に戻っただけだった。


 誰もが、この世界で見たいものをみて、自分だけが主役を演じている。

 俺も、そのひとりに過ぎなかった。ただ、うまく演じることができなかっただけ。


 ――裏切り者?


 笑える。

 もともと信じていなかったくせに、勝手に”信じてた”なんてラベルを貼って、勝手に裏切られた気になって。


 ――優秀な演者だけが夢を見る。


 俺は、瞬きをする。――そこは場所も知らないどこかの町であった。周囲の古い建物の影がこちらを睨んでいるように感じる。

 一週間に二作、水曜日と土曜日に投稿っ!! できる様に頑張ります……。

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