165.ナイトキング撃破
アトラスは風が止むと自分の目の前に立ち防御結界を張る少女を見つめた。
「倒す…って…」
「はい」
戸惑うアトラスに少女は振り向くとしかと頷いた。
少女の瞳に不安や迷いはない。
ただいつもの様に鮮やかなグランディディエライトがあるだけだ。
アトラスは一瞬声を出すこともなく、大きな瞳でノルンを見つめると大きな瞳を閉じてその口角をあげた。
そしてふっと息を吐き出す。
「…出来るんだな?」
「はい。やってみせます」
「うし!上出来だ」
アトラスの表情が柔らかくなり、張り詰めていた緊張は消え去る。
「アオイさんが攻撃を防いでくれます」
「なるほど。それなら俺も相手の隙を作れるよう動くとするか」
「はい。よろしくお願いします」
「おう。任せとけ」
アトラスは頼もしい返事をするとカチャリと銃を鳴らした。
その瞬間ナイトキングはアオイ、ノルン、アトラス、それぞれの敵の位置を頭だけを動かして確認すると腰を低く構え、大剣を構えた。
「まずい…!斬撃だ!飛べ!!」
アトラスの叫びと同時にそれは放たれた。
アオイとノルンはすんでのところで攻撃を交わす。
そして攻撃をかわしつつ、ノルンはアオイと合流をすると、アオイの背後に降り立つ。
「アオイ!ノルン!そっち行ったぞ!気をつけろ…!!」
アトラスの言う通りキングナイトは鎧をガチャガチャと鳴らし、アオイとノルンに勢いよく体験を振りかざすように襲いかかってきた。
「ノルンちゃん…!いくよ…っ…!」
「___はい」
キングナイトの剣がアオイに向かって振りかざされる。高く大きな金属音が部屋中に反響して鼓膜を震わせる。キングナイトの未だ衰える気配のない重い斬撃を受けてアオイは歯を食いしばり、腕を震わせながらもしっかりと受け止めた。
「今だ…ッ…!ノルン!!」
アトラスの声にノルンは瞳を見開く。
その瞳はただアオイの奥のキングナイトを捉える。
杖の切っ先をキングナイトに向ける。
(____威力を高めるための一撃)
魔力がノルンの杖の切っ先に凝縮されるように渦巻いてゆく。
「…アオイさん」
「うん…っ…!」
ノルンが名を呼ぶとアオイは瞬時に剣を力いっぱい振り切って後方へと飛ぶ。
ノルンとキングナイトが真正面で対面する。
キングナイトが体制を立て直すまでその間わずか一秒。
「ノルンちゃん…っ…!」
それは、放たれた。
「___高圧縮物理攻撃魔法」
それはまるで流星のごとき速度でキングナイトへと衝突する。
星が弾ける。
ズドン、とでも言うような重い一撃がキングナイトとぶつかり合う。
そして、それは見事分厚い鎧の身体を貫通した。
防御をすることも出来ず、




