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(一)-4

 渚はそう言って笑顔を作った。取材相手に録音を拒否されるのは毎回のことだ。だから、対応は慣れていた。

「そこまで言われるなら……。誰にも言わないで下さいよ」

「もちろんです、ありがとうございます」

 渚はICレコーダーのスイッチを入れた。細長い棒状の端末の一番面積の小さい面のLEDライトが赤く点灯した。

「では始めます。二〇■■年■■年■■日、現在時刻朝六時三分、■■■■■■の駐車場。取材者は文潮社記者、長森渚」


(続く)

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