あったかーいのありますん
「もうすぐだ」
街の門が見えた。
緊急事態の為だろう、いつもなら閉まっている門が開放されている。
背中に暖かみを感じる。ホットだけにほっとしたい。
走ってきたせいだと思いたいが、一様、一様念の為、後を振り向いてみる。
「ミーナ、ミーナさん、あなたが召還したファイヤーボール、少しづつ落ちて来てますけど?」
「大丈夫。早く門を抜けて」
大丈夫って今までの大丈夫壊滅しているよね?
あなたの大丈夫は不安という魔法でしかないよね。
魔法の使い過ぎで、脳内まで魔女っ子になっちゃた?
ただ、もうその言葉を信じるしか道はないっ。
念の為に顔を隠しながら群衆と共に門を抜ける。
門兵に気づかれる事は無く、すんなり通れた。
ミーナの指示で人を避けた場所にマリアンとミーナを下ろす。
ミーナはマリアンを仰向けにし、お腹に手を当てる。
「聖女の魔力を借りる。私の魔法はあれで終わり。マリアンの力で転移させる」
「わかった。俺が出来る事はあるか?」
「私の手の甲に手を重ねて。後の魔力操作は、ミーナやる。」
何だか頼りになるぜ。
手を重ねるとマリアンの身体から光の糸が溢れ、ミーナはその糸を紡いでいく。
ポンッとしたかわいらしい音と共に、ファイヤーボールは煙だけ残し、消えた。辺りは暗闇に戻り、街の人全員が唖然としている。
ふぅ、やれやれだぜ。
「ミーナ、はじめに転移って言ってたけど、あのファイヤーボールはどこに行った?転移させた先って大丈夫なのか?」
「大丈夫。転移先は、アルちゃんの収納魔法の中」
…………。
俺のポッケは……あっファイヤーー。
一番面白くない