???登場いやいやーあんたらーまじ?
やーっと落ち着いたぜ。
気にする暇はなかったが、良く見ると、奴隷達は長い耳を生やしている。
最初、どこかのエルフか? と思ったがあまりにも肌が白い。それに瞳の色が朱い。
ダークエルフだ。
魔法を使った女が立ち上がり、口を開いた。
「助けて頂き、感謝だっ。私の名はイリス……お前達は、いったい何者だ?」
ゼフィーは俺より一歩前に出て、偉そうに胸を張る。
「ふっふっ。よくぞ聞いた小娘。わらわはゼフィー。まりゅっフガッ」
俺はとっさにゼフィーの口を押さえた。
今、言おうとした?
勇者と魔竜が愉快にピクニック中ですーとか?
やめてくれっ。
討伐されたはずの魔竜が、ここに生きてますーってさすがにいえないでしょ。
「お、俺はアルス。俺達はー……あ、あれだ。えー、竜を神と崇める信者だ。普及させる為、各地を回っている。こいつはゼフィー……えーとっ。そぅ、こいつは竜神の巫女だ」
ゼフィーは違っフガフガ言っているが、大人しくしてくれっ。
こんな話じゃ、なかなか厳しいか?
こーんな道もない森で、普及活動はおかしいよねー?
「そうか、何よりも助かった」
えっ?
そうか? 疑問にならない?
こんな森の中に美男、美幼女ペアだよ?
まぁ通じたのは何より。
俺のずぶずぶ設定いけちゃったよー。
あっ。センスっ。
これがおとーさんの……あっセンス。
…………。
「イリス、取り敢えず話は後だ。もうすぐ日が暮れる。さすがにこんな森の中じゃ危険が多すぎる。そこで、この近くに廃村あるんだ。よかったら、そこでゆっくり話をしよう」
「わかった。本当に助かる」
悪徳商人の死体から、拘束具のカギを取り出す。
燃え尽きてたらおじゃんだったが、カギには魔力が込められていて問題はなかった。
ダークエルフ達の拘束具を解いた後、俺達は廃村に向かった。
奴隷となっていたのは全部で八人。
全員がダークエルフだった。
ゼフィーにはこれはお前と俺の為だと伝え、ゼフィーには申し訳ないが、しばらくの間、巫女の役を演じて貰うこととなった。
…………そぅいや。
ダークエルフってエルフじゃないから、魔族じゃね?
大丈夫か俺?
いや、うん。
考えないでおこう。
設定ミスだよーん




