そこの君、行く宛はあるのかい?
とある酒場にて。
兄ちゃん、ご注文は?
アツアツを一つ。
はいよぉっーアツアツいっちょー入りましたぁー。
なんなら収納魔法に入りましたァ。
あっりがとうぅございまーすぅ。
はいっ、やめて。
ミーナがポンポンと軽く肩を叩く。
「アルちゃん、大丈夫。時間が経てばまた使えるから」
「良かった。どれくらいで使えるようになるんだ?」
「あの魔法で魔力を半分くらい使った。だから、1ヶ月、くらい?」
…………長くね?
さてさて、どうしよう。
さすがにマリアンをここに置いていく訳にはいかないし、起きるまでの間にまた騎士達に囲まれても面倒だ。
「ミーナ、もう帰る。マリアンは騎士に頼んで、街まで運んでもらう。」
……帰る?
あなたが騎士に魔法まで打ち込んで、一番罪が重い気がするのは俺だけか?
あなたが紛れもなく、一番トラブル引き起こしたよね?
「アルちゃんは街に戻れないし、私一人で問題ない。何より……家に帰りたくなった」
何そのホームシック発言。
「大丈夫。私がこの危機を救ったと伝える。それに、もしバレて困ったら、アイツを呼ぶ」
「アイツってもしかして、テンションが異様に高い、闘士のアイツ?」
ミーナはこくこくと頷く。
悪くはない案だが、それでも帰るのはまずくないか?と思ったらミーナはいつもより大きな声で騎士を呼ぶ。
お兄ちゃんはもう知らないからな。
牢獄に入れられて、違うものを入れられてもお兄ちゃんは知ら……その時は、絶対助けに行くからな……。
「マリアンが起きたら、俺の金は1ヶ月後くらいに戻してくれと伝えてくれ」
「わかった。アルちゃんはこれからどこへいくの?」
「バッカンの森を抜け、この国を出る」
ミーナは最後、グッジョブのポーズを取り、俺は、街とは逆に暗闇を走った。
出るまでながくね?
『イカれてやがる』『続きがまた読みたい』『し、死ぬ気かお前っ』
と思った方。
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ペロペロッ