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幻想世界探訪録  作者: ゆう@地球
第4章
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消滅した町 §16 闇夜の訪問者

 カタカングン〜ガマに似た大柄のヒトガタ(ヒューマノイド)

 暗黒時代、マルサルドール市を恐怖で支配した『暴食の覇王』の眷属となった冒涜的な者ども。

 ラメント州やメルカール州に住む者なら誰でも知っている。邪悪の見本市の様な存在。


 目視で確認出来る限り10体以上いる。

 軽快なステップを踏みながら、敵を惹きつけるジョナサン。

 俺の見せ場?カッコいいでそ!


 警告の叫びは、すぐに仲間たちに伝わる。

 まずキホーテン卿が駆けつける。

 パブロ、エルザ、サラディオールが続く。

 シュナイデルは、後詰に回り、弱った仲間を守る。

 幽界ギモーヴの件で、お嬢とクラリスとが、かなり疲弊していた。


 すぐに片付いた。そのはずだったんだ。


「えっ?」


 後方からの不意打ちを察知する。慌ててかわすが、かすった。痛ってええ!!


「まだ潜んでおったか!」

 キホーテン卿が、斬り伏せる。


 突如、3体のカタカングンが直近に姿を現す。

 透明化?カモフラージュ?

 キホーテン卿に不意打ちを喰らわす。


「おのれ!卑怯な!!」


 突如感じる痛覚。いってぇえ!!!!

 更に2体。

 反撃の一打!外した…て言うか、消えたぞ!

 おいおいおいおい!!!!


 後衛組で悲鳴。クラリス嬢が斬りつけられてる。

 カタカングンだ!シュナイデルの反撃の一打。また消えたぞ!

 サラディオールが、消えかけに一撃喰らわせたけど、他の奴らから2発刺されてるのが見えた。


 やばい!やばい!やばい!


 透明化とは違う。消えてる!姿だけで無く、実体が消えてる!

 あれか?幽界(かくりよ)と行き来するあれ?


 ジョナサンの脳裏に「全滅」の文字が浮かんだ。


***************************


「こやつら、幽界(かくりよ)とこちら側とを自由に行き来しおるぞ!」

 気付いたドトンタ翁。

 効くかどうかは不明だが奥の手を使う事にする。

 幻術系の術式を編み上げ、発動する。


『透明化の視覚化』

 範囲で透明化している対象を炙り出すかなり高位の術。

 術者本人だけで無く、周囲の者にも敵味方関係なく認識可能となる。


 炙り出されたカタカングン達。

 幽界の境目の様子が、こちらから確認出来る。


 首魁と思しきカタカングンの祭司。

 こちら側の策に気付き、憎悪を剥き出しにする。


「あやつをなんとかせんといかんようじゃの」


「一人だけなら、送り出せます」苦しげなクラリスの一言。


「私が行く」とお嬢。


「それはダメです」止めるクラリス。


「ならば、俺が行こう」とサラディオール。


「任せましたぞ!こちら側はご安心くだされ!」

 襲いくるカタカングンの一体を、戦斧ではたき落とすシュナイデル。


 術式を編み上げるクラリス。サラディオールに触れる。

 境目へ飛び込み、カタカングンの祭司目掛けて走り出す。

 狂気に満ちた叫びで部下に何かを命じる祭司。

 一斉に襲いくるカタカングン達。

 流石のサラディオールも、圧倒的な数に苦戦する。

 それでもジリジリと近づく。

 憎悪と狂気とに満ちた冒涜的な雄叫びを上げるカタカングンの祭司。

 新手が追加される。


 劣勢。焦燥。不安。


 その刹那現れるカタナ・ソードを構えたカワズビト。


「ケロキチー!!!!」喜ぶジョナサン。


 見事な体術と跳躍。すぐに戦いに加わる。


「俺、おまえ、助太刀する!」


「感謝する!」


 続いて現れるヤモリのヒトガタ(ヒューマノイド)たち。トケークンの群れ。


「トケークンよ!トケークン!」喜ぶお嬢。


 形成が逆転する。


 ケロキチとサラディオールとに囲まれるカタカングンの祭司。1ターン経たずに、倒れ伏す。


***************************


 南国風の鳥の羽飾りまみれのトケークンの長老が、前に進み出る。


「上エルフの姫君エレンディエル。ノームの長老ドトンタ翁。そして、ご友人の方々に、ご挨拶申し上げる」


 威厳を持って挨拶するトケークンの長老。

 歩み寄るエレンディエル。

 長老を抱擁する。


「会いたかった!」


 はふはふするトケークンの長老がそこにいた。


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