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幻想世界探訪録  作者: ゆう@地球
第4章
32/51

消滅した町 §7 艀町にて

 マルサルドール市のあるラメント州からウンブラ州、メルカール州の近海には、未だに海賊が出没する。

 未だ『暗黒時代』の傷痕が深いメルカール州かその近海の島々に、海賊たちの拠点が幾つかあると考えられている。


 ウンブラ河河口にある艀町(バージュヴィーユ)から東には、更に主街道が伸びて、エルメタルク市に至る。

 砦のある東詰を避け、白色オークの海賊どもは西詰を狙ってやってきた。

 複数の小舟に分かれて。

 漁船に擬装して。

 散らばって逃走する為に。


 飛翔の術で上空から様子を伺っていた上エルフのお嬢が降りてくる。


「南側に小舟で乗りつけたみたいよ。目視出来ただけで海岸に白色オークが50体ほど。他は町中に散らばってる」


「100前後いると考えて良さそうじゃな」

 とシュナイデル。


 まじかー。多くね?


「警備隊や蜥蜴兵たちに生き残りは?」

 と『暁の雷鳴』のパブロ。


「みんな頑張ってる」


「海岸の集団を叩いて退路を絶つ。散らばってる連中も厄介だが」とサラディオール。


「苦渋の決断ですな」とキホーテン卿。


「どゆこと?」と俺。


「分散してる奴らに逃げられると、後々被害が拡がるって事なのよー。

 それでも、海岸に陣取ってる集団を叩いた方が、被害が少ないって判断なのー」

 と『暁の雷鳴』の女ノーム。


「急ぎましょう!」とお嬢。


「とばして下され」とノーム爺。


 諦めがちの御者が馬たちに鞭打つ。

 馬たちが走る。

 木戸をくぐり、荒屋(あばらや)の続く街中を駆け抜ける。

 諦めてくれてもいいんよ?

 諦めても俺だけは文句なんて言わない!


 上空から外観を掴んでいるお嬢が道順を指示する。

 街中から土手道へ、土手道を南下して、やばいのが待ち構える場所へひた走る。


「もうすぐ」とお嬢。


「作戦は如何する?」とキホーテン卿。


「定石通りで」とパブロ。


「魔法組が浴びせかけた後、弓手組が援護しつつ、前衛組が突入といったところか?」と『暁の雷鳴』のマリ嬢。


「それで行こう」とサラディオール。


 おうおう、勇ましいじゃないか。

 俺はスカウトなんで後ろで待機させて貰うぜ。


「いよいよ貴殿の実力の程を見せて貰う時が来ましたぞ」とシュナイデル。


 え?俺に言ってるの?


「期待してるぞ」とサラディオール。


 え?何笑ってるの?この兄さん?

 ちょっと洒落になってないんですけど?


「自業自得じゃのう」とドトンタ翁。


 なにそれ?バレてたの?


「ただし無理はするなよ」とサラディオール。


 何フォローした感出してるの?勘弁してよ。


「止めて!着いたわ」とお嬢。


***************************


 死屍累々。


 なにこれ?強くね?強過ぎじゃね?

 戦闘描写無し?


 特にキホーテン卿、シュナイデル、サラディオール。

 他が弱いって事じゃない。

 俺だって別に弱くはないんだぞ。

 ただ安全マージン多めとりたいだけなんだよ。

 でもこの3人は、おかしい。

 強すぎる。


 ぱねえぇええええ!


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