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【誘引】7回目8

 薄暗い壁際に転がされていた中野姉が目を覚まして最初にしたことは、横になったままで眼鏡を外して確かめることだった。



「うぁ……踏んだ?」



 寝ぼけたような声で眼鏡を掴んだ拍子にトドメが入ったらしく、ヒビを境に眼鏡のレンズが割れ落ちた。手探りでその破片を拾いながら、シャツの下に手を入れて腹を掻きながら座り込む。

 【地下迷宮】を走り回ったことを夢だと思っているのか現実逃避しているのか、本当に寝ぼけているのか傍目には判別がつかない。


 ジャケットのポケットから携帯を取り出して時間を確かめてシャツの下で胸元を掻いている様子は、普段からこんな寝起きを迎えているのだろうと思わせる。

 あくびをしながら立ち上がろうとして、こちらに向いた頭が一瞬揺れて、首をほぐすように大きく回っていく。



 割れた眼鏡を掛け直し、周囲の状況を確認する。セミボブの下に見える視線が険しいものになり、しっかりとこちらを捉えた。



「……せ、責任取って下さい!」



 どうやらまだ寝ぼけているらしい。



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