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最悪の結果1

 しかし何故か全ての量産されたくそったれは消えていて、壇上で腰掛けていた本人が立ち上がる。



「別に私に気兼ねする必要はない。好きに何人でも囲えばいいさ。所詮は戸籍上の配偶者でしかないからな」


「待ておい、誰がなんだって?」



 背を向けて答える言葉に聞き捨てならない言葉が混ざっていて、驚いて問い詰める。



「博士互助会では旧態依然の思想が根強くて国家主導の研究は配偶者ありという前提が求められているため必要になって手続きを済ませた結果書類の上ではボクとキミは夫婦ということになっている」


「おま、何してくれてんだ!?」



 一息に回答が吐き出され、それを聞いた俺の顔が歪み、隣でパンクが吹き出した。



「先輩の彼女さん可愛いね。うん、あたしもそれくらい自分から行動する」



 明らかに悪影響を与えたくそったれの行動を怒るべきだとは思うのだが、歪んだ顔が戻らない。ゆるくなる顔を隠しながら、そうか夫婦か、と定まらなかった関係に名前が付いたことを噛み締める。

 そうか、夫婦か。


 それで俺が何か気の利いたことが言えるわけでもないし、くそったれは変わらずくそったれだ。背を向けて壇上に置かれた箱相手に何かしている。


 足元で聞こえた舌打ちに、むしろ救われた気分で軽く蹴りつけた。


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