トラックのサイドミラーで異世界転移!?
異世界もの初投稿です。
楽しんでみていただけたら幸いです。
俺は普通乃人。
高校二年の一般人だ。
この名前の由来は俺が生まれた姿をみた父と母がピーンときて決めたらしい。
なんでも可愛くもなく、かといってブサイクというわけでもないから、らしい。
この名前のせいで俺はいろんな人からお前は普通だという評価を受けてきた。
だからなにか一つでも普通じゃないものを作りたくて色々なことに挑戦した。
運動、勉学、スポーツ、料理、その他もろもろ。
結果はすべて普通。いろいろな分野の先生からお前は一般人の範疇を越えることはないと突きつけられた。
だからもう諦めて普通に生きようと決めた。
けど心の中では諦めていなかったのだろう。
なにか普通ではない、異常なことに。
なぜ今このようなことを考えているのか。
それは目の前でトラックに惹かれそうになっている女の子がいるからだろう。
俺はそれを見た瞬間迷わず飛び出した。
<さて皆さんご存知の通り、これは異世界転生の典型的なパターンだ。
ここで飛び込んで女の子を突き飛ばして異世界転生。
幾度となくみた異世界系なろうの常識である。
しかしこの作品はとにかく異世界の常識が通用しない作品なのである!
当然このテンプレパターンも通用するわけがない!
以上をふまえたうえで続きをお楽しみください。>
俺が飛び出した瞬間、俺の隣から別の男も飛び出した。
横顔をみて即座に理解する。俺が所属する高校の生徒会長であることに。
イケメン高身長で有名な生徒会長であることに。
俺と生徒会長が同時に女の子に手を伸ばす。
俺は女の子まで手が届かなかった。普通の身長だったがゆえに。しかしイケメン生徒会長は手が届いた。高身長だったがゆえに。
女の子を突き飛ばしたイケメン生徒会長はトラックに引かれた、かのように思えた。
しかし俺はこの目で見た。生徒会長はトラックに引かれる寸前に姿を消したのだ。
まるで元からいなかったかのように消えてしまったのである。
これまた即座に理解する。
(生徒会長が異世界転移したー!?)
突き飛ばされた女の子が道路に擦れ、少量の血を流す。
急いで後ろを向く女の子だったがそこにはなにもいなかった。
困惑する女の子。周りやトラック運転手も困惑する。
そこに生徒会長が異世界転移したという事実を知る者はいなかった。
あ、ちなみに俺は手が届かなかったうえトラックのサイドミラーに頭が当たって、誰の目に留まることなく死にました。
最後の死に方だけは普通じゃなかったな……なんて考えながら俺の命の灯火が儚く散りました。
<こんな感じで普通乃人の人生は終わりました。
しかしこの作品は腐っても異世界系小説。
当然のように異世界転移することになるのですが今からはみんな大好き神様からチート能力を貰う場面です。
しかしそのような異世界常識はこの作品ではありえません!
常識を覆していく、いや、常識を塗りつぶしビリビリに引き裂くのがこの作品!
今までの常識が通用しない今後の普通乃人の活躍にご期待ください!>
ご覧いただきありがとうございました。
今後も不定期にアップしていきますのでご意見、感想お待ちしております