スタック
久々に出猟した。
3週間ぶり。
かなり長く休んでいた。
シカ肉をたっぷり食べ、冷凍庫のストックも十分、今期はもうやらなくても良いような気もしていたが、先日久しぶりに師匠から「どうだい、シカ獲ってるかい?」とのメッセージをもらったこともあり出猟しようと決めた。
いつもの林道に軽トラで入った。
思ったより積雪がある。
構わず進んだ。
間も無くタイヤが空転、いわゆるスタックをした。
前後に車を振って脱出を試みたが、軽トラはどんどん脇の方へ沈んでいく。どうしてもバックがうまくいかない。スコップで雪をかいてはバック、かいてはバックを繰り返し、思い切って大幅に前進してみるとハンドルが効かなくなり、左の前輪が落ちた。
完全に路肩に落ちた。
軽トラは斜めに傾いだ。
左の前輪と右の後輪が浮いている。
だめだ、どうにもならない。
師匠に電話して助けに来てもらった。
「無茶したね」そう師匠は言った。
ああ、情けない。
ランクルのウィンチで牽引してもらう。
ランクルすごい。さすがランクルだ。
路肩からは脱出できた。
しかし砂場のようにボリュームのある雪道(しかも急勾配)をバックで戻るのは難しい。引き続き牽引してらうが軽トラは面白いように斜面を滑り再び脱輪。
師匠は涼しい顔でまた同じ作業を繰り返してくれた。
甲斐あって無事に道路まで戻れた。
しかし情けないったりゃありゃしない。
スタックから抜け出す道具も技術も僕にはなかった。
自前のロープもすぐに切れた。
安い道具で危機を回避できないということ。
除雪されていない雪の林道を軽トラで走ること自体が無茶だと師匠は言った。そしてそもそも雪道の運転の仕方が間違っていた。師匠曰く「やんわりと踏め」だそうだ。
雪を崩しながらやんわりと進むのだ。
いや、本当に情けない、猛反省、ひどく落ち込む。
思えば今までよく無事にやってこれたものだ。
本当に師匠ってすごい。ランクルの扱い、ロープワーク、その落ち着いた物腰、そしてちゃんと叱ってくれるということ。
かないません師匠。
自分の無力さを痛感した1日でした。