〜転移した先で〜
そろそろ華を…ということで新キャラ登場です。
キャラがブレたりするかもしれませんが…ご愛嬌ということで勘弁下さい。
黒猫は遊斗の身体をペタペタ触り、ある程度傷が癒えているのを確認すると、魔法を唱え始めたーーー
「…ん?」
気がつくと白い部屋にあるベットに寝ていた。
「あっ!目が覚めましたか?」
どこからか声が聞こえ、体を起こそうとする。
「っ痛!」
「あぁ!ダメですよ!体を起こしちゃ!」
そう言って起こしかけていた体を戻される。
「いててて…」
「あ、ごめんなさい!でも、体は起こしちゃダメですよ?ちょっと待っててくださいね」
顔を見る暇も、質問する暇も無く、部屋から出て行ってしまった。
「な、何だったんだ…」
取りあえずなんとなく分かったのは、俺がどこかの病院的なところにいるということだけだ。
「失礼するよ」
足元の方から凛とした声が聞こえてきた。
「あ、はい」
戸惑いつつも返事はしておく。
「少し、体を起こそうか。あぁ、御影君は動かないでね」
そう言うと、ベットが動き始め、体が自動的に起き上がっていく。
「まずは自己紹介かな?私はここ、総合魔術病院の医師の橘 結花だ。橘先生とでも読んでくれ」
そういった先生は、端正な顔立ちの美人だった。雰囲気は凛としていて、白衣から伸びる脚は細く、思わず見とれてしまった。
「それから、こっちが私の助手の花咲 晴香だ」
橘先生に紹介された花咲さんは雰囲気はホンワカしていて、とても可愛い人だった。
「あ、えっと、花咲 晴香です。御影くんが通うことになる学校と同じ学校に通ってるの。色々と分かることは教えてあげるから何でも聞いてね?」
そう言ってニコッと笑う。その笑顔はとても眩しく、周りが幸せな空気に満ちたようだった。
「…て、天使…」
思わず口にしてしまう。
「…え?」
花咲さんはキョトンとしていた。
「くくっ…そうだろう?」
橘先生の方はバッチリ聞いていたようで面白そうに笑っている。
「あ、お、俺は御影 優斗。訳あってこの世界に連れてこられたんだけど、何がなにやらさっぱり分かっていません」
素直に伝えてみた…と言うよりは他に説明が思いつかなかった。
「ふむふむ…なるほど」
橘先生は真剣な眼差しで見つめてくる。何も無いとわかっていても、美人に見つめられてドギマギしてしまう。
「あ、あの、何か分かっているんですか?」
俺は耐えきれず、そう切り出す。
「ん?あぁ、多少のことはな。これからそれを伝える予定だったんだ。実はーー」
そう言って橘先生が説明を始めようとすると、ドアが開く音がした。
俺も橘先生も、花咲さんも、全員そちらを見ると、銀髪の青年が立っていた。
新キャラを登場させてみました。最初からどういうキャラにしたいかは決まってましたが、名前がなかなか決まらず…
橘先生と花咲さんとの今後のやり取りをお楽しみに!